現在UNITED ARROWSウィメンズ原宿本店では、デザイナーが編集長も兼任しているRika Magazine刊行10号を記念した写真展「A PRIVATE MOMENT」が開催されており、先日行われたオープニングレセプションには編集者やスタイリスト、モデルなど400名を超える業界関係者が訪れ、ブランドへの注目度を改めて認識させる場となった空間を手掛けたのは小松隆宏氏(WATOWA INC.)。
SUKIMA PROJECTとは東京を拠点とする平澤氏とパリを拠点にしている久川史哉氏の2人によって3年前からスタートしたプロジェクトチームである。これまでに、メンズブランド「WACKO MARIA」とNYの写真家Tim Barberのコラボレーション写真集「OVER, UNDER, AROUND & THROUGH」、G-shock by Maison Martin Margiela パリのmerciでのPOP UP イベントなど、ファッションブランドや雑誌でのビジュアルディレクションやプロダクションなどジャンルを限らず彼らが“面白い”と感じたものを海外から引っ張ってきて東京でローンチさせる。またその逆も行っている。東京とパリで開催される海外ブランドの展示会においてセールスサポートも担うなど活動の幅は本当に広い。
おそらく、ファッション業界に限らずに、平澤氏の顔を知っている人は多いと思う。しかし、“何者”なのかはヴェールに包まれたままだ。
「何やってる人なんですか? って聞かれるのが一番困っちゃうんですよね(笑)。ファッションでもアートでも“プロデューサー”と言う肩書きがしっくりくるんでしょうか。例えば、僕がアート関係の同業者だったら、ギャラリーのアート展のサポートとか出来ないじゃないですか? でもそうではないから、相談されたら力になれるし、一緒にやることも出来る。言ってしまえば、ただの1アートファンなだけなんです。
業種としてカテゴライズされてないから競合他社にもなり得るけど、協力者にもなれるんですよね。確かに職業としては分かりにくいし、何なんですかね。ミーハーなだけです(笑)。」
例えば、日本の企業が海外で何かやりたいといった場合、東京を窓口にして、現地の情報をリアルタイムに伝えながらそれをベースにコンテンツを組み立て、具体化させることが可能となる。さらには、日本にいながら現地の会場探しやキャスティング、メディアへのアプローチが同時進行で行える。ローカルな生の情報をいち早く知ることができ、しかも海外から見た“今一番クールなもの”を的確に伝えれることが彼らの強みなのかもしれない。
「僕はもともとアメリカのカルチャーが好きだったし、アンダーグラウンドなものが好きなんですよ。特に専門的な学校に行って学んできたわけでもない、本当にただのクリエイティブファンだった。ただ、知識的な探究心はすごくあったんですよね。自分の好みの幅は決まっているからそこを突き詰めたいとは思っています。専門家ではないからマニアックにすべてをを知り尽くすことは無理だし、必要ないと思ってます。ただ、どこの国に行って、どんなクリエイターに会っても“これ良いよね”って同じ物事を指せるぐらいの感度は持っていたいと思っています。」