本日4日(金)ついに公開を迎えたDCコミックス原作の映画『ジョーカー』。アカデミー賞受賞確実との呼び声高い本作は、主演ホアキン・フェニックスの怪演もさることながら、監督トッド・フィリップスの演出にも注目が集まっている。そんな中、フィリップスがある問題発言をしたことが話題に。

トッド・フィリップスが問題発言。その真意とは?

フィリップス監督は「ハングオーバー!」シリーズや、ロバート・ダウニー Jr.主演の『デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』など、数々の大ヒットコメディ映画を生み出してきた人物としても知られている。そんな彼がインタビューで、今アメリカに広まり始めている「ウォーク・カルチャー」が原因でコメディ作品を撮ることができない、と発言している。

「ウォーク・カルチャー」とは、不当な差別やバイアスを撤廃するのを名目とした価値観で、近年、アメリカを中心に勃興し、さまざまなカルチャーに浸透し始めている。つまり、今回のフィリップスの発言は自身の作品の中に不当な差別やバイアスが盛り込まれていることを肯定している、とも言えるのだ。

彼は「なぜコメディが今機能していないのかについて書いてある記事があったんだけど、僕が答えるよ。なぜなら面白い連中が“こんなのクソくらえ、俺はおまえを攻撃したくない”って言ってるからだ。Twitterで3,000万人と口論なんてできないよ。できないだろ? だから出ていくしかないんだ。“やーめた”ってね。わかる?」と、そうしたウォーク・カルチャーをもとに主張する人々のせいにして、半ば諦めに近い形でコメディ作品を作るのをやめたとまで語っている。

また今世間を賑わせている『ジョーカー』は、コメディ作品を制作する上で心がけてきたという「敬意を欠いた言動」をもとに制作したと説明。「僕のコメディ作品は、ー僕はあらゆるコメディに共通することだと思ってるんだけどー 全部敬意を欠いている作品なんだよ。だから僕は“敬意を欠いたものを作りたいけど、コメディはクソくらえ、なんだろ? ああ、わかったよ。コミック映画のユニバースを作って、その方向性を敬意を欠いたものにすればいいんだ”って。これが『ジョーカー』ができた理由さ」

本作はその作品の完成度とは裏腹に、暴力性や狂気に満ちた世界観が注目を集めている作品でもある。フィリップス監督のこの発言を見る限り、本作が与える影響は必ずしも良いものばかりではなさそうだ。

JOKER – Final Trailer – Now Playing In Theaters

『ジョーカー』監督トッド・フィリップスが問題発言?「ウォーク・カルチャーのせいでコメディが撮れない」 film191004_joker_toddphillips_1
Photo via @jokermovie(Facebook)