推薦コメント

栗原類さん(モデル・俳優)

『セッション』

教師役のJ・K・シモンズは超が付く程狂気じみている鬼先生でやる事なす事全てがイカれていて”本当にこういう人いるの?”と疑ってしまいますが、そのキャラクターの設定と言葉の選びが人間臭くてフィクションぽさ全く無く”本当にいるん じゃないか”と思ってしまう様な微妙な説得力がこの映画の魅力の一つです。サウンドトラックのジャズの曲も全て素晴らしくて音楽通にもうってつけですが一番の注目ポイントはエンディングです。最後の演奏シーンからのスタッフロールへの入り方は映画の歴史に残る様な完璧な終わり方でした。

『はじまりのうた』

ストーリーは馴染みがある様なシンプルな恋愛物語ですが、登場人物が皆純粋であり嫌いな人は一人も思いつか無い様な“平和”な映画です。主演のキーラ・ナイトレイの歌も今作の注目ポイントの一つです。決して上手い訳ではありませんが存在感があって無視できない様な歌声を持っていてついつい聞いてしまう磁力を持っています。大作映画やCGが多い映画からちょっと一休みしたいのならこの映画はうってつけです。

『ザ・トライブ』

今作は本当に実験的な映画でした。出演者全員が聴覚障害者である為”セリフ”が全く無いので進行は手話と役者たち の表情や仕草で映画を観る事になります。劇中も音楽が全く無いのでこの映画の暗い雰囲気はまるで聴覚障害者の人 逹から観た我々の世界を表している様に思えます。暴力のシーンも役者の人逹には音が聞こえ無い為手加減をせずに 本気で殴りかかる所もリアルに見えます。

松江哲明さん(映画監督)

『はじまりのうた』

2015年は原稿を書く前のエンジンとして『はじまりのうた』のサントラを何度も再生した。追いつめられた状況から生まれ た音楽を聞くと筆が進むのだ。街でゲリラ演奏という大好物な設定もよかったし、安易な恋愛関係に陥らない物語にも感 動した。僕はギターを奏でるキーラ・ナイトレイに惚れない自信はないけれど。

『ローリング』

今年の日本映画はやっぱり『ローリング』かな(『野火』は2014年に見てたので)。冨永さんを褒めると「友達だからでしょ」 なんて言われたけど「友達が面白い映画を作ったら嬉しいに決まってるじゃないか!」と反論した。こんなことを言う人は「知り合いが微妙な作品を作った時の感想を伝えなきゃいけない辛さ」を知らないのかな。川瀬陽太さんも柳英里紗さん も松浦祐也さんも井端珠里さんもお知り合いだからこそ「最高!」と言いたい。整音の山本タカアキさんもグッジョブ。

『悪魔のいけにえ』

『悪魔のいけにえ』を見逃した人に朗報。またスクリーンで見れます。人生が変わる機会です。良い方向か悪い方向かは あなた次第だろうけど、そんな映画は 1000 本に 1 本あるかないか。「騙されたと思って」という表現があるけど、本作に限 っては騙さない。見ろ。

真魚八重子さん(映画ライター)

『神々のたそがれ』

『神々のたそがれ』は監督のアレクセイ・ゲルマンが完成直前に逝去。だがじつに13年もの時間をかけた怪作だ。本編はルネッサンス期のヨーロッパの話にしか見えないが、他の惑星を舞台にしたSFである。だが野蛮な人間しか出てこないし、四六時中誰かが蠢いている落ち着きのない映画は、情報量が多すぎて一度見じゃ足りないほど。

『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』

若手女性監督の出世作『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』。タイトルはホラー風だが、ボーイ・ミーツ・ガールの 瑞々しさと、とある重大な問題を巡って二人の間に緊張が走りつつ、うやむやになっていく恋愛の瞬間が良い。「猫運び 映画」としてもカワイイ。

『ナイトクローラー』

『ナイトクローラー』は事故現場専門のパパラッチもの。この役のため、激やせしたジェイク・ギレンホールの見た目のキ モさ、推したい! さらに監督夫人である、女優のレネ・ルッソが重要な役で登場。ジェイクがレネに、仕事をネタに肉体 関係を迫るシーンは、身内配役の結果、27 歳も年上の女を狙う男というシーンに。でもこれが、主人公を特殊な趣味の ヤツに見せる、思いがけない効果をもたらしていて、生々しさがムワッと漂う。

○見逃してしまって気になってるのは『パロアルト・ストーリー』。ジア・コッポラのセレブな家名&才媛顔やオシャレ感に気 圧されて、見るのに気力がいる!

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見逃した映画特集 2015

2015.12.19(土)- 2016.01.29(金)
渋谷アップリンク
作品:一律 ¥1,300/学生・シニア ¥1,100/UPLINK 会員 ¥1,000 ※サービスデー適応外

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