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マルチな才能を発揮したフランスが誇るレジェンド、セルジュ・ゲンズブールと、女優で歌手、さらにはファッションアイコンとして、そのスタイルが今でもリスペクトされ続けるジェーン・バーキン。そんな彼らを両親に持つのが、シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)です。

1984年、映画『残火』で女優デビュー。同年、父セルジュとのデュエット曲“レモン・インセスト”で歌手デビューを果たしたシャルロット。この曲は、当時、過激な歌詞がセンセーションを起こしました。

その後、女優としてキャリアを重ね、フランス映画だけではなく、世界中の監督からオファーを受け、ラース・フォン・トリアー監督の『アンチクライスト』では、第62回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞するなど、ワールドワイドに活躍しています。

また、歌手としては、2006年、約20年ぶりに活動を再開。ナイジェル・ゴッドリッチをプロデューサーに迎え、エールやジャーヴィス・コッカーも参加したアルバム『5:55』を発表。さらに、2009年には、ベックが全曲書き下ろし、プロデュースを手掛けたアルバム『IRM』をリリース。その音楽的センスも高く評価されています。

そんなシャルロットが、この度、ニューアルバム『Rest/レスト』を発表。フランク・オーシャン、エレクトロ・ハウス・アーティストのKavinskyなどのプロデュースで知られる〈Ed Banger〉出身のアーティスト/DJ、セバスチャン(SebastiAn)をプロデューサーに迎えて、音楽のフィールドにおいて、また新しい扉を開くことに成功。そして、このアルバムを引き下げての来日公演も決定しました。

今回、パリを離れ、移り住んだNYでの生活、ニューアルバムについて、そして、気になる来日公演についてパリのホテルの一室でたっぷりとお話しを聞くことができました。

Interview:シャルロット・ゲンズブール

【インタビュー】来日公演間近!フレンチ・アイコン、シャルロット・ゲンズブールが語る、NY生活と日本への想い interview_charlottegainsbourg_1-1200x1796
photo by COLLIER SHORR

——2013年にジェーン・バーキンの長女で、シャルロットの姉であるケイトを亡くしたことがきっかけで拠点をNYに移しましたが、現在のNYライフはいかがですか?

NYに住んで良かったことは、家族と普通の暮らしを取り戻せたこと。パートナーのイヴァンは、仕事があるからNYとパリを行ったり来たりだけど、私は2人の娘たちとの親密な暮らしを楽しんでいるわ。

NYでは、誰も私が誰かなんて知らないし、まるでヴァカンスみたいな気分なの。歳を重ねてから故郷を離れた暮らしをすると、子供みたいに好奇心が高まるのかも。街自体はとてもエキサイティングだし、エネルギーに溢れているけど、マンハッタンではなくて、南の方のダウンタウンに住んでいるからストレスフルでもないしね。

そして、光がとても強いの。寒すぎて、暑すぎるけど、晴れた日の空の青さといったら! その極端なところも好き。新たらしさに刺激を受けているのだと思う。

——NYでのお気に入りの場所を教えてください。

日本食レストラン「EN Japanese Brasserie」は私の食堂ね。あとは、ちょっとモードすぎるけど「Omen Azen」も好き。古き良きブックストアの「Three Lives & Company」は、とってもチャーミングなの。本のチョイスも良いし、ストアの人も優しいし。あと、文房具屋さんが大好きなんだけど、「Goods For The Study」がいいわね。それから、素敵な場所ではないけれどプレイグラウンドが好きなの。私にとってはウエストサイドストーリーそのもので、そこが娘の日常になることがとても嬉しいの。

EN Japanese Brasserie

Omen Azen

Three Lives & Company

Goods For The Study West 8th Street

——今回のアルバム『Rest/レスト』では、コナン・モカシンやオーウェン・パレットなど勢いのあるアーティストが多数参加しています。そんな中、サー・ポール・マッカートニーとはどんな作業でしたか?

今から7年前にポールが、一緒にランチをしてくれて、その時に、「もし、わたしに曲を書いてくれたらどんなに嬉しいか!」と言ってみたの。そしたら、少ししてからメールで曲と詞が届いたの。でも直接ポールから来たわけではなくて、アシスタントの方が送ってくれたから、本人にこれは何を思って書いた曲なのか? と聞くこともできなかった。

その時にはまだアルバムも作っていなかったから、しばらく保留状態で、その後、やっとポールにセバスチャンとレコーディングしたヴァージョンを聞いてもらったの。そして、NYに来てくれて一緒にエレクトリック・レディ・スタジオに入ったの。その時に色々と質問すれば良かったんだけど、ポールと一緒にスタジオにいることにすごく圧倒されてしまって、普通でいられなかったわ。普通にしているフリをするのが精一杯だった(笑)。

——表題曲“Rest(レスト)”の編曲およびプロデュースを手がけたダフト・パンクのギ=マニュエル・ド・オメン=クリストとのコラボレーションは?

彼とは特別な体験だったわ。ちょうど、ケイトを失った苦しみの中で、ふらふらと混乱している時に、書き溜めていたテキストを見せたんだけど、その時は、「テキストが長すぎるので、もっと短くしないと」と言われ、最終的にはとてもナイーブな曲に仕上がったんだけど、それは、まさに、わたしが目指しているものだったの。

NYに立つ前のプリミティブな状態をそのままパッケージしたような曲で、混乱していた状態の中から生まれたとても偶然的な曲。わたしはとてもシャイなので、いつもコラボレーションがうまくいくか心配なんだけど、彼との作業はとても心地よくて、なによりもスピーディーだったの。トータル2週間で曲が仕上がって、アルバムを作るまで寝かしておいたわ。

Charlotte Gainsbourg – Rest (Official Music Video)

——4月には約7年半ぶりの来日公演を行ないますが、意気込みを聞かせてください。

今度のツアーでは、父がプロデュースしたアルバム『シャルロット・フォーエヴァー』から2曲披露するわ。このアルバムを作った時はまだ小さかったので、ステージで歌ったこともないし、テレビ出演もしなかったし、プロモーション活動も何もしなかった。その後、父が亡くなって、わたしも違うことをしたりして……今に至る。

コンサートでは、父とのデュエット曲も歌う予定だけど、他の誰かとは一緒に歌いたくないし、彼の声をかぶせるのにも抵抗があるから全部自分ひとりで歌うわ。ダイアローグもね(笑)。でも、父が隣で一緒に歌ってくれているような気がするの。だから、そこに悲しさはなくて、その逆。とても楽しんでいるし、父が書いた詩を歌えるのも嬉しくて、感動的なの。

【インタビュー】来日公演間近!フレンチ・アイコン、シャルロット・ゲンズブールが語る、NY生活と日本への想い interview_charlottegainsbourg_2-1200x1800
photo by COLLIER SHORR

——シャルロットにとって日本は特別な場所ですよね?

そう。うまく言えないけど、とてもスペシャル。なんで、こんなに惹かれるのか自分でもわからないくらい。日本に行くことは毎回とても嬉しいし、今回は、家族も来るから、わたしの好きな日本で一緒に時間を過ごせそうで、今からワクワクしているわ。

わたしの日本好きは、母のおかげだと思う。彼女は日本が大好きだし、日本のオーディエンスからも好かれている。日本で地震が起こった際には、自分の具合が悪かったのにも関わらず、ぐに現地に出向いて行動を起こしたりして、そんな姿も尊敬します。

母のお腹にわたしがいた時に、母と父は、日本を訪れているの。だから、母はいつも日本のことを話してくれたわ。その当時、わたしはもちろん見えてはいなかったけど、ちゃんとお腹の中で日本を体験していたのね。

先日発表になったフランス版グラミー賞「Victoires de la Musique」では、女性ミュージシャン最高賞を受賞したシャルロット・ゲンズブール。授賞式なのに全身デニムという“シャルロットスタイル”で、出席し、パフォーマンスも行いました。

両親の名声という重圧をはねのけ、彼女のリズムで自由に、そして自然体に表現するシャルロット。生粋のサラブレットで、フレンチシックのアイコンと呼ばれた彼女も、辛い体験を経て、新しい環境に見を置いたことで、さらに進化し、自分らしく生きている。そんなシャルロットの歌声を生で聴くことができるまたとないチャンス。この来日公演を見逃さないで!

EVENT INFORMATION

Charlotte Gainsbourg JAPAN TOUR 2018

・東京公演
2018.04.09(月)
OPEN 18:30/START 19:30
六本木EXシアター
スタンディング¥8,000/指定席¥9,000(1ドリンク別)

・大阪公演
2018.04.10(火)
OPEN 18:30/START 19:30
IMPホール
オールスタンディング¥8,000(1ドリンク別)

一般プレイガイド発売日:2018年1月27日(土)
※未就学児入場不可

詳細はこちら

text by momoko matsuzaki

Qetic編集部

Qetic編集部

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