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未来からやってきた○(ヴォーカル)、△(シンセサイザー)、□(DJ)からなる3人の正式メンバーを中心にして、海外のクラブ・ミュージックとも共振するトラックと、J-POPならではの歌詞を融合させたアンセミックなエレクトロニック・ミュージックを生み出す謎多き集団・CTS。彼らが通算2作目となるアルバム『WAVINESS』を完成させた。

前作リリース以降、テイラー・スウィフトの前座などを経て完成させた今回の作品では、映画『HK/変態仮面 アブノーマルクライシス』の主題歌“WAVINESS”で南波志帆を迎えた他、初音ミクを迎えて黒うさPによる彼女の代表曲のひとつ“千本桜”をカヴァー。生のギターやピアノ、ストリングスなども交えながら新しい可能性を追究している。

中でも焦点を当ててみたいのは、“唯我独尊 ONLY ONE”“全世界NEVER GAME OVER”といった曲名からも窺える、作詞家のAgsai氏を迎えた独特の歌詞の世界観。今回はAgsai氏同席のもと、CTSのユニークな歌詞の世界から、最新作の内容までを語ってもらった。ちなみに、○は作品やステージ以外では声を発することが不能。△、□の2人がヴォコーダー・ヴォイスで回答してくれた。って、すごい……。さすが未来人……!

3人の未来人とAgsai氏が最高のポップ・アンセムを作るために遊び心を発揮していくCTSの歌詞の制作風景とは、一体どんなものなのだろう? 4人に訊いた。

Interview:CTS[○(V)、△(Syn)、□(DJ)]

――CTSというグループは「海外にあるクラブ・ミュージックのアンセムはなぜ日本にないんだろう?」ということから音楽性が定まっていったと思うのですが、クラブ・アンセムには歌がないタイプのものも存在します。そもそも、なぜJ-POP的な歌詞を乗せようと思ったんでしょう?

 メンバーみんなが共通して、デジタルなクラブ・ミュージックも好きですし、J-POPも好きだったんです。J-POPとして聴ける、みんなに受け入れられるクラブ・ミュージックがないのはなぜなのか、と考えた時にJ-POPってみんな「歌詞を聴く文化」じゃないですか? 一方、海外のクラブ・ミュージックの歌詞は内容がすごく偏っていて、極端な話、「パーティー」「ドラッグ」「女」という、だいたいこの3つで成り立っているというか(笑)。

 (○は音楽作品以外では言葉を発することができないため、無言で頷く)

――確かにそうですね(笑)。

 そういうところもあるのかな、と思って。だから、歌のメロディーも含めよりJ-POPに特化したものをやったら面白いし、何より「オンリー・ワンなのかな」と思ったんです。ジャパン・オリジナルのオンリー・ワンなものをやりたい、という気持ちから始まったんですよ。

【インタビュー】謎のLED覆面ユニット・CTS。彼らが紡ぎ出す“3つの独特の歌詞世界”に迫る music160627_cts_4

【インタビュー】謎のLED覆面ユニット・CTS。彼らが紡ぎ出す“3つの独特の歌詞世界”に迫る music160627_cts_5

――それで現在のような制作体制になっていったということですね。最初にAgsaiさんと作業をはじめたきっかけはどんなものだったんですか?

 我々が現代に来まして、「どうしても日本語で歌いたい」と思った事が始まりですね。

 J-POPをやるためには、日本語をちゃんとものにしなきゃいけないということで、僕らにとっての国語の先生になってくれる人を探しまして、その中でようやく見つけたんです。

Agsai はい、そうですね(笑)。

――Agsaiさんとの制作作業は、具体的にはどんな風に進んでいくんでしょう? 

Agsai まずは音が先ですね。トラックが出来て、メロディーが出来て、詞はあくまでもその後に書くというのが、ほぼすべての曲で言えることです。

 曲と一緒に、まずはテーマや「こんなことを言いたい」というアイディアをみんなで話し合って、それを先生に投げさせていただいて。「こういう言い回しの方がかっこいいんじゃないか」と色々アドバイスをいただいて、さらにそこからより言葉がよく聞こえるように、メロディーやトラックを直していきます。

――徐々に徐々に、様々な作業の中で詞や曲が出来上がっていくんですね。

 ○さんも、最初の案で歌ってみてフィット感のようなものを確かめてから、改めて提案をしたりするので、本当にみんなでブラッシュアップして作り上げていく形ですね。トラックのイメージをもとに仮題としてつけたものがそのままテーマになる時があったり、逆に歌詞がない状態で○さんが歌ったものを参考にする時もあったり。

――デモ段階では、○さんがなんちゃって英語で歌ったりするそうですね。

 そうです。そうやって歌った言葉をもじったり、それを生かしたり、そこから曲のテーマが生まれたりすることもありますもんね?

 (無言で頷く)

Agsai それが一番、グルーヴ感が出る方法ですしね。○さんの仮歌は、「I just~」とか、そういうものが多いんです。結構絶妙なところで「just」が入ってくるんですよ。だから、それに似た譜割りで日々ストックを増やしていかないと、そのうち「just」切れしてしまうんじゃないかな、と思っていて(笑)。

 「きみのjust」とかが多いよね(笑)。

 多いね(笑)。

Agsai あとは、もともとトラック自体も哀愁系だったり、爽やかだったりと表情豊かで、言わんとしていることが既に曲に込められている部分があるので、そこから言葉をフィットさせていくというか。言葉のパズルワークと言いますか、楽曲と歌詞の親和性を大事にしつつ、そこで遊ばせたりもしていますね。

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杉山仁

杉山仁

ライター

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