――ミックスCDと現場でのDJとでは、どんな風に違うと思いますか。

ミックスCDの場合、「客観的に聴くのがより大事」というのがあります。たとえばこうやってCDを出すと、お店でBGMとしてかけてくれたりするんですけど、一日10回かけてくれて、それを一ヵ月も続けてくれるお店もあったりするので、お客さんからすると200回近くも聴くことになる可能性もあるわけですよね(笑)。だから、それぐらい聴いてもいいものにしなければいけないし、細かいところをかなり気にしますね。クラブ・プレイは細かいことは気にせずに現場のノリを大切にするので、やっぱりその辺りは全然違いますよね。

――これはモダンR&Bの魅力のひとつでもあると思いますが、普段の生活の中で使える感じもいいですよね。それこそ、デート中に車で聴いても合うような気がします。

やっぱり、僕は現場でそういう感想を色々と聞く機会もあるので。あと、「聴きやすい」ということは大事にしたいです。それは決してイージーなものという意味ではなくて。「聴きやすい」ってことに対して選曲や構成をちゃんとこだわってやれば、そういうものが長く聴いてもらえるものになったりするんですよね。そこはかなり意識してやってると思います。

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――これまで6作続けてきたわけですが、このシリーズにまつわる思い入れのようなものがあれば教えていただけますか?

このシリーズは僕をフックアップしてくれるきっかけになった作品で、〈マンハッタン・レコード〉のスタッフにはほんとに感謝してます。(過去のシリーズでオリジナル曲を共作した)フェイス・エヴァンスやキャシーみたいなアメリカのどメジャーなアーティストと一緒に「曲を作っていいよ」と言ってもらえる機会もそうはないですし。それに、僕が最初にトラックを作った時、それを「作品に入れようよ」と言ってくれたのもこのシリーズでした。当時まだ、ちゃんと出来るかどうか分からない人間にそんなことを言ってくれたわけですね(笑)。だからこそ、毎回期待に応えたいな、という気持ちがありますね。

――シリーズを通しての思い出もあれば教えてください。作品の内容以外のことでもいいのですが。

ツアーを結構毎回やってたりしたんで、それは楽しかったですね。〈マンハッタン・レコード〉のトップの2人がいるんですけど、最初の頃はツアーを一緒に回ったりしてたんですよ。もう観光気分で、すごく楽しんでました。京都とかに行くと、すごい寺とかを回ったりしてて(笑)。

――ははは。とてもいい関係が出来ている中で、制作されてきたシリーズということですね。

そうですね。だから、僕としても毎回いいものにしていきたいと思うんですよ。そして、今回はフレッシュで聴きやすいR&Bという感じになりました。でも、「フレッシュで聴きやすい」けど、ありがちなものを集めたコンピレーションではないと思うし。だから、僕としてはそのフレッシュさを楽しんでもらえたら嬉しいですね。

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