1998年に結成、これまでさまざまな名曲を発表し、多くの音楽ファンの血を騒がせている、SHERBETS。この6月からは待望の全国ツアーがスタート、各地を熱狂の渦に巻き込んでいる彼らが、このたび3年ぶり、通算9作目となるオリジナル・アルバム『きれいな血』を完成させた。ツアー会場では初回限定盤が先行発売されている本作について、浅井健一をはじめとするメンバー全員が語る! さらに彼らの「血」にも迫った、これぞ永久保存版貴重インタビュー!

Interview:SHERBETS
[浅井健一(Vo&G)、福士久美子(Key&Cho)、仲田憲市(B)、外村公敏(Dr)]

──3年ぶりとなる全国ツアー『きれいな血』が6月1日よりスタートしています。

仲田憲市(以下、仲田) いい感じになっていると思いますよ。

福士久美子(以下、福士) 今年はこのツアーの前に、初期、中期、現在と分けて3回のライヴをおこなったんです。ライヴごとに異なる楽曲を演奏するのは大変でしたが、そのおかげで(ツアーは)やりやすくなったというか。いいものができているという手応えがあります。また、久しぶりにいろんなところを、みんなと廻ることができて、楽しいですね。

外村公敏(以下、外村) (ツアー前におこなったライヴにて)初期と現在は意外と激しい曲が多くて、中期がしっとりしていたものが多かったことに気づいた。それを踏まえて、新しい曲、古い曲を混ぜつつ面白いものになっているんじゃないかなって。

浅井健一(以下、浅井) 久しぶりのツアーになって、今回はこれまでで最もいい演奏をできているんじゃないかって手応えを感じているから、たくさんの人に観に来てほしいよね。現在のSHERBETSを観てほしい。

──またツアー会場では、最新アルバム『きれいな血』の初回限定盤を(一般流通される通常盤先行で)発売されていますね。

浅井 これはマネージャーのアイデアで。本当は一般流通でアルバムを売ってから、ツアーをスタートするのがいいのかもしれないけど、CDの存在が世間からだんだん薄くなっている状況。ミュージシャンにとってCDを売るのが大切なことだと思っていて、直で売ってみたいという気持ちがあった。それで、今回ライヴ会場で先行してアルバム発売することを思いついた。この結果がどうなるのか? わからないけど、一度挑戦してみると価値はあるかなと。

──3年ぶりとなるアルバムですが、作り方に違いはありますか?

浅井 特別にこのアルバムで何かをしたつもりはないんだけど、今回福士さん(所有)のスタジオで全曲制作したのは初めてかな。ロー・バジェットでレコーディングさせてもらえるし(笑)、福士さんのためにもなるって思ったから。

福士 これまで頑張ってスタジオを運営してきて、環境も整ってきたので、自分の大切なバンドで自由に音を作ってみたかったんですよね。でも、自分のスタジオで全曲を作るからには、他のスタジオで制作した楽曲よりもクオリティの低いものだったと言われるのは、絶対にありえないので。すごく良かったものだったと思ってもらえるものにしなくては、という気持ちを背負いながら制作しました。だから、うれしさとプレッシャーで複雑な思いはあるけど、最も思い入れの強いアルバムですね。

浅井 また、今回は外村君が原型を作った曲もあるね。

外村 いい曲ですよ。『ミツバチ』なんですけど。出たからには、多くの人に聞いてもらいたい。

──曲作りにも関わったことで、レコーディングに対する向き合い方は変わりましたか?

外村 そんなことを考える余裕なんてなかった。何とかしないと! という気持ちだけで臨んでいたので。みんなに助けられていいものができたと思います。

SHERBETS全員が語る、新作や自身の“血”について interview150619_sherbets_3

『きれいな血』ジャケット

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