――あなたたちは90年代末から00年代を通して人気を獲得していった北米のインディ・シーンから出てきた人たちですが、メジャー・アーティストになった今も、同時にインディ・ロック的な肌触りのようなものをうまく残しているように思えます。

サラ うん、私たちはそれがトリッキーなところだと思っていて、特に今回のアルバムでは、メロディや歌を除いて考えると、ほとんどがプログラミングされた音楽になっている。でも、そこに人の肌触りのようなものを残すために、歌や歌詞の部分については、できるだけ具体的に、自分たちらしさを表現出来るように考えた。そうやって「人間的な手触りのあるポップ・ミュージックを作る」というときに頼りになったのは、自分たちを信じるということと、あとはやっぱり、ファンとの繋がりだったんじゃないかな。「沢山の人が私たちの音楽を聴いてくれるんだから、自分たちにとって嘘のないものを作らなきゃ!」ってね。

Tegan and Sara – FAINT OF HEART

Tegan and Sara – Hang on to the Night

――オープンリー・レズビアンでもあるあなたたちのアイデンティティとも繋がる話だと思うのですが、あなたたちがそうして人間的な手触りのあるポップ・ミュージックを作っていることは、音楽の多様性においてとても魅力的なことのように思えます。自分たちでも、そうした多様性を象徴する存在でありたいと思っていますか?

ティーガン そうね。私たちのセクシャリティは当初は家族や友達だけで共有されている、自分たちの中だけの話だった。でも、00年にデビューして世に出ていくと、色々なところで「彼氏はいるの?」って聞かれたり、姉妹だからと私たちのパーソナルな部分を聞かれたりすることが多くなって。そのときに、仮面をかぶるわけでもなく、別のペルソナを演じるわけでもなく、私たちは「自分たちのありのままでいる」ということを大切にしようと思ったの。だから、私たちは最初からずっとそういう気持ちで活動してきたのよ。でも、デビュー当時はまだ天井があったのも事実だよね。私たちの音楽も、セクシャリティも、まだまだアンダーグラウンドなものだったと思う。でも同時にそのことが、私たちにとってはアドヴァンテージになったとも思うのよ。私たちのそういう部分に共感してくれた若い人たちが、ティーガン&サラを好きになってくれて、私たちをメインストリームなところまで押し上げてくれた。だから、嘘をつかないでいて本当によかったなって思う。私たちらしいままポップなものを追究して、それをみんなに聴いてもらえる状況にあるわけだしね。

――今回のツアーでは新曲も多数披露しています。最後に、中でも実際にライヴでやってみて印象的な曲を教えてください。

ティーガン 正直なところ、昔の曲の方が受けるんじゃないかとも思っていたんだけど(笑)、新曲への反応がすごくよかったのよ。特に“ボーイフレンド”は、「英語圏以外の海外でも聴いてもらえるのかな?」「意味が伝わるのかな?」って思っていたけど……(「君は私をボーイフレンドみたいに扱う/親友みたいに信用してる/だけど、もう君の秘密ではいたくない。」という歌詞)、ものすごくいい反応をくれて。それって本当に嬉しいことだったわ。

Tegan and Sara – Boyfriend

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