体育、文学、哲学、倫理や宗教、情報処理にインテリアデザイン……。あっ、これは学科ではなく、ロックに於けるその音楽性のコンテクストの例えの一部だ。
では、この大阪を拠点に活動する5人組ロックバンド、uchuu,は、どのようなコンテクストに当てはまるのだろう? エレクトロニカ色の強いダンスミュージックを主体に、ダイナミズムでエモーショナル性溢れる音楽性が魅力の彼らだが、そのサウンドからは、どこか幾何学性や記号、スマートさやスタイリッシュ、それでいて非常に機能性を感じたりもする。うーん……、私だったら彼らを情報工学やデザイン工学と例えるかな……。
ここまで3枚のミニアルバムを発売してきた、そのuchuu,が今夏、1stフルアルバム『+1』をリリースする。11曲、それぞれに違った景色や模様、形や色が交差しては聴く者それぞれに違ったビジョンを広がらせてくれる今作。彼らが元来、その音楽性に宿していたビジュアル的な要素を、更に具体的に、より鮮明に描かせてくれる、その作風も特徴的だ。
『+1』ジャケット
そして、それを先鞭付け、且つ明確にしたのが、このアルバムからのパイロットシングルでもあった、“SI(G)N SEKAI”のMVと言えよう。GROUNDRIDDIM×chaosgrooveという2組の鬼才を迎え、世界初の常設ホログラフィック劇場「DMM VR THEATER」にて、3Dホログラムを用いて撮影された同MVは、彼らの同楽曲が擁する、疾走感とスピード感。パルス感と歌詞の語感が、ビジョン的にもデザイン的にもベストマッチを見せ、あえてCG合成に頼らず、リアル且つVJ的なホログラム映像の活用により、さらにリアルとヴァーチャルの融合の成功と可能性を感じさせるものとなっている。
その話題のMVを作り上げた3組、同MVの企画&プロデュースのGROUNDRIDDIMの松本剛、主にその映像面を作成、共同プロデュースをし、この6月には東名阪にて、uchuu,と共にフリーライブを展開するVJ chaosgroove、uchuu,からは楽曲メイカーであり、ボーカル&ギターのKに、座談会形式で色々と語り合ってもらった。
uchuu, “SI(G)N SEKAI”(Official Music Video)
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