「決まりきったことをやるのではなく、現場やその瞬間にしか生まれない空間を作っていく。」
——では、今度のuchuu,さんとchaosgrooveさんとの共演では、この辺りも見れたり?
chaosgroove 残念ながらホログラムはありませんが、僕たちが一緒にやることでの化学変化や特別な演出が施せたらなと。今回のMV撮影の時に、バンドの演奏に合わせて音を流し、リアルでコントローラーをいじっていたんですが、その一緒にやっている感が凄く楽しくて。他の曲でも是非やりたかったんで、今度のライブで、それが実現して嬉しいです。
——元々uchuu,も幾何学的なところもあるし、音楽も比較的デザインチックなところもあるので、この2組の融合は、かなり有機的に働きそうですね。
chaosgroove 僕もuchuu,の音楽性って、音楽はもちろん、凄く絵を描く感じに似ているなと思っていて。
K 実際、アートワークのことも一緒に考えながら曲を書いたりしていますからね。音とビジュアルがセットで現れてくることもあるし、”こういうブレイクには、こういう絵がハマる”とか。”こういうリズムから、こういったアートワークが浮かんだ”とか。形になった時のことを考えながら作っているところはあります。僕も映像を多少かじったり、ジャケットのデザイン等もするので、今回も自分の中では、”こんな感じのMVかな……”と、勝手に想像していたんですが、このお二方は、それを軽く凌駕した断然凄いものを提示してきましたからね。進化どころか、それこそ新世界でした(笑)。
——既に、「当日、こういったことをやろう!」的な話しをしたりとかは?
K 選曲と楽曲のイメージ、曲の目指したり描きたかった景色等は、先日伝えさせてもらいました。迷ったんですよ、伝えるかどうかも。chaosgrooveさんが楽曲から感じたままを表してもらっても、それはそれで面白いかなって。だけどやはり一緒に当日の空間を作り出していくこともあるので、あえて伝えさせてもらいました。
chaosgroove いや、あれがあって良かったです。それらを今、自分なりに解釈をしたり、フィルターを通したりした映像を用意しています。
松本 VJとは言え、決まりきったことをやるのではなく、ある意味、現場やその瞬間に対応していくスタイルの方ですからね。その辺りは楽しみにしています。
chaosgroove 自分の理想形やイメージ、ビジョンに近づけたいところはあります。でも、その場の雰囲気や会場の空気、お客さんの盛り上がり方を汲み取りながらリアルタイムで進行していくタイプのVJなので、現場でしか出来ないものや味わえないものを提示出来るかなと思っています。
松本 同期ではない生のVJの良さって、演奏に近い手動が故のシンクロやズラしが出来るところですよね。ピタッと合わせるのはもちろん、先読みして突っ込んでいくことも出来ますしね。
chaosgroove 機械がどんなに進歩しようが、人間の持つ感覚やそこに反応しての行為は、やはり人間にしか出来ないところですからね。
K 僕らもVJを使ってのライブは初めてなんで、今から凄くワクワクしているんです。
——意外ですね。音楽性やビジュアル重視なところも、uchuu,にはあるので、てっきり何度か取り入れたことがあったと思っていました。
K 前に演っていたバンドでは、取り入れたこともあったんですけどね。歌や演奏に、より具体的な更なる演出を加えられるんで、見ている側も更に素晴らしい体験をしてもらえるんじゃないかな。
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