——いいもの、王道を聴いてきてるんですね。話を戻すんですが、福岡拠点でやってると全国区でメジャーデビューするってどういう風に感じますか?
URO メジャーデビューするために上京するって流れは昔からあったと思うんですけど、今は……今回、車で来たんですけど、格安航空券とかもあるし、移動とかも昔に比べりゃ楽になったんで、そこに関しては昔に比べると活動しやすいのかもしれない。
TAKE 飛行機安いしね。
JUN ネットもあるしね。
——じゃあ、福岡在住でリリースをメジャーからっていう可能性はあるんですか?
Massiveeffect 状況次第かなと思ってて。福岡以外でもどんどんそういう風になったらなと思ってて。北海道とか、位置的には真逆なんですけど、すごい似てるというか親近感が湧くバンドばかりが多くて。サカナクションとかブルーハーブとか、青森ですけどスーパーカーとか、いいバンドが北か南から出てくる印象があるんですよね。
URO アジアに向けて活動するなら、福岡が丁度いい気もしていて。Attractionsではまだ行ってないですけど、何しろ東京よりソウルの方が近いし、台北も近いから。
——確かに、欧米のアーティストが出演するフェスも日本だけだと年に何回も開催できないし。アジアツアーとして開催してくれたら福岡は確かに活動しやすい。
URO そうですね。そういう環境ができたら最高ですね。
——前身バンドの時は釜山のフェスにも出ていて。
URO ビートル乗って行きました(笑)。
——船で行けるんだ(笑)。で、そのフェスのテーマソングも手がけてたんですよね。最近、日本のバンドもアジアツアーをやることも多くて、割と当たり前になってきたと思うんですが、当時の手応えとしてはどうでしたか?
URO 今のバンドの立場としては何も言えないんですけど、前のバンドでは釜山行って、すごいお客さんが素直なんですよ。いいものに対してはガツガツ行くというか。FacebookのURL交換して、「これの楽譜ないの?」とか「歌詞ないの?」とか、よく聞かれてて。未だに「この音源ちょうだい」とか、そういうメールもたまに来るんです。だから日本人と比べてオープンなのかもしれないなと思って。Attractions、今、Spotifyでは日本の次に台湾、アメリカが再生回数多かったって言ってたから、もう早く行きたいです(笑)。
——ところで福岡のスタジオ環境はどうなんですか?やりやすい?
URO やりやすいです。しかも安いんで。massiveがSTSスタジオで働いてて、それもあって今回作った音源とかも彼がミックスしてくれてて、マスタリングも。だからそれがバンドのメンバーだからいつでもできるっていう環境が結構強いです、プリプロだってね?「明日する?」って言ってもできるし。
——もともとエンジニア志向も?
Massiveeffect そうですね。そういうの興味があるんで。細かいことに興味があるので。
——今回のEPはEP全体も幹宗さんがプロデュースしてるんですか?
URO 幹宗さんは“Knock Away”と“Escapist”の2曲を。あとはセルフプロデュースです。
——どうしてもシガベッツやくるりのサポートで、オーセンティックなギタリストのイメージが強いんですけど、プロデューサーとしてはいかがでしたか?
TAKE 相当、柔軟っていうか、もちろん、音楽詳しいので僕らのジャンルにももちろんアイディア持ってきてくれるし、やっぱ幅広いなというか。
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——幹宗さんのAttracitions評は?どういう方向を伸ばして行ったらいいとか?
TAKE そういう話はされてないですけど、とりあえずいっぱい曲を書けって言われますね。あと、めっちゃ優しく教えてくれますね。昨日もそれこそ終わってから言いに来てくれて。すごい気にしてくれてるんだなっていうのは思います。
URO 個人的には昨日アドバイスがあって、何気なく(笑)。プレイもなんですけど、ライブの見せ方とか、パフォーマンスしかり、言われましたし、バンドとしてバリエーションが増えるようなアドバイスでしたね。「幅を広げろ」って。
——確かに“Knock Away”は、バンドの中では割とギターを前面に出した曲ですけど、それだけじゃないし。
TAKE あれはそうですね。その“Knock Away”は幹宗さんプロデュースですけど、《フー!》とか、ああいうキャッチーな……結構かっこいいもの作りたいってこだわってたんで、そういうの恥ずかしがってやらなかったんですけど、そういうのを入れる、エッセンスというか、それが幅を広げてくれたとというか。全体的にそういうアドバイスをしてくれますね。
——Attractionsの場合、ギターが入ってることで間奏が華やかになったりとかしてるなと。その辺りのこだわりはありますか?バンドのスタイルとして。
TAKE 普通にみんなギターミュージック好きというか。別にギターありなしは考えてないというか、曲によってギターが少ない方がいいし、ギターがかっこいい部分は個人的には推したいし、そこは普通にロックバンドだし。
URO うん。あくまでもロックなんで。
——今のサウンドの傾向でいうと参考になったアーティストとか曲とかありますか?
URO “Knock Away”とかはみんなが思ってるかわかんないですけど、個人的は結構、サイケ色もあるかなと思うんですよ。TAKEが作ってたんですけど、なんかその当時ぐらいにテーム・インパラとか聴いてたから、その影響であの感じが出てるのかな? と思いましたけど、どうなのかな。どうですか?(笑)
TAKE テーム・インパラはよくわかんないけど、酔っ払ってチルウェイブとかの感じで作ったかな。バリバリ、シンセ入っとって打ち込みみたいのを作って、バンドでやったらああいう感じになって。
Tame Impala – The Less I Know The Better
——なるほど。福岡ではyehyelと対バンもされてますね。彼らはライブのやり方も明確ですけど、対バンしてみてどうでしたか。
URO かっこよかったです。
TAKE 完成度は高い。
URO 僕らにはやれない形ですね。
TAKE やれないことはないけど、もうちょっとフィジカルにこだわりたいっていうか。
Massiveeffect やっぱ見た目の感じパッドとかシンセが多くて、ベースとかギターみたいな目に見える大きい動きみたいなのは少ないから、そういう見せ方としてはギターとかベース、ドラムは生演奏してる動きは僕らは見せたいから。
yahyel – Once (MV)
——今って、そういう風に特徴的なバンドが増えてきましたが、大名にはシーンと言えるものはあるんですか?
URO なんか、レゲエが強いハコだったりヒップホップが強いとかハードコアが強いとか、インディー色が強いとかあるんですけど、基本、みんな対バンしあってると思います、福岡は。
——クラブでいえば毎日がオールジャンル的な?
URO そうそう(笑)。単純に福岡はバンド数が少ないです。
JUN 例えば僕らと同じジャンルのバンドを何バンドか集めるのが難しい。
URO でも最近、ヒップホップとか多いみたいです。出会わないだけで。でも福岡のシーンはあくまでもアンダーグラウンドな感じはありますね。うちうちとしてるというか、アッパーグラウンド的な見せ方ができないんですよ。
JUN ルーツを極めてる人が結構、先輩、大先輩にいる感じなんで。
URO 先輩の背中見て遊んでる子が多いから、恐れてやれない子が多いんだと思います、おそらく。自分ではできないと思ってる人が多いのかなと。でも最近、若い子がバンバンやってきてるなと思いますね、僕の世代と違って。
——なるほどね。例えば今、関東でもSuchmosは神奈川から出ないじゃないですか。地元愛というか、地元の生活が背景にあるというか。
URO それは絶対にありますね。なんか福岡のいいところって、どこのハコ行っても知り合いいるし、まぁいろんなジャンルに出会える場所でもあるし、刺激的な人が多いから。しかもみんながみんなを愛してる感じはあって。ほんとに地元愛が強いですね、ハコの人間がちゃんといろんな店に遊びに行ってるんですよ。DJしたり。それぐらい結束力が高い。
——そしてこのEPリリースの後はどうするのかなと。今、かなりメジャーからのオファーも多いと聞いているんですけど。
URO 予定としては来年の今頃にはフルアルバムを出そうかって話してたんですけど、それを幹宗Pに話したら「それじゃ遅い」って言われたので、もう一回作戦を練りなおさないかん(笑)。
——確かにこの感じで行くと初夏には出てて欲しいかなぁ。せっかくこんなに曲が聴かれてる状況があるんなら、早い方がいいような気はしますけど。
URO 今は音源出たばっかなんで、ほんと、とりあえずいろんな場所に足を運ばないと何にも始まらないんで。多分、来年は台湾が決まったりとか、サウスバイサウスウエストでテキサスにも行くんで。後は大阪とか京都、広島とか行きたくて。そこにいるファンたちに会いに行かないと何も始まんないって思います。
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RELEASE INFORMATION
EP『Attractions』
2017.10.04(水)
Attractions
GMF001
4573440510119
¥1800(+tax)
発売元:GIMMICK_MAGIC
販売元:PCI MUSIC
収録曲
1.intro
2.Twilight
3.Knock Away
4.Polyester Honey
5.Baby Relax
6.Escapist
[amazonjs asin=”B075T3HXXS” locale=”JP” title=”Attractions”]
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text by 石角友香
photo by 横山マサト