――リスナーが入り込める余白がありますよね。幾通りにも捉えられるって重要だと思うんですよ。これと決めずに解釈はその人たちに委ねるっていう。

武井 うん。説明っぽいのが好みじゃないし、そもそも発想にないというのもあるかもしれないんですけどね。砂川くん以外は説明したくない人間の集合体だと思います(笑)。汲み取ってくれよっていうタイプの人間だと思っていて。言葉がぽんと置いてあって、後は勝手に解釈してくれるのがいい。その方がスマートだと思うんですよね。

山崎 でもさ、説明がないと自己満足になっちゃうっていうことに最近気付いたっていうか。4人でやってた頃は、自分たちで輪になって楽しければオッケーで、それがお客さんに伝わっていればいいっていう感じだったんですけど、この人(砂川)は、外に向けて自分たちを見せていくにはどうしたらいいのか、その研究心が半端なくて。

武井 何か砂川くんを説明するための会議みたい(笑)。

山崎 (笑)。すごいんですよ、一番セットリストを考えるし。それは今までになかった。今となってはすごく重要なことだけど、結構恥ずかしいと思ってたんですよ。

砂川 恥ずかしい人が入ってきたって(笑)?

一同 爆笑

砂川 (笑)。Czecho No Republicの歌詞とか曲の雰囲気とか、説明くさくないというか、理屈っぽくない。直感で楽しめる曲が多いのは、聴き手の余白に繋がっている感じがしますね。

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――メンバーチェンジのタイミングって、ただメンバーが増減するだけじゃなく、少なからずバンドの音楽性に影響があると思うんですよ。極論を言えば、ポップなものにシフトするのか、エモいものにシフトするのかみたいに。

武井 砂川くんとタカハシさんが入ったことによって、今まで避けていたことも出来そうだなと思いましたね。そういう曲を作りたいなって思っていましたけれど。

――それは目線の変化というか、もっと幅広い人たちに聴いてもらいたいという気持ちに紐づきますか?

武井 多分、ライブが一番ダイレクトだと思うんですよ、人の反応が。砂川くんとタカハシさんはお客さんを盛り上げると同時に、一緒に楽しんじゃうぐらいの感じがあって。俺ら3人が前はそういう感じがなかったので、そういうところから曲も届き始めたと思いますね。今までやってきた曲でさえも、すごく届いている感触があって、そういう意識から多くの人が聴けるような音楽をやりたいっていう気持ちが出ているのかも。

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