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ベースミュージック好き必見。PART2STYLE欧州ツアーレポ

Music ｜ 2015.10.19 Mon

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Mungo’s Arena の大トリで大円団！

ボートパーティに出演した後は、マンゴズ・ハイファイが仕切るMungo’s Arenaへ移動。＜Outlook＞の十数あるステージの中でも、アーティストの名前が付いているステージはここだけ。グラスゴーのビッグサウンド、マンゴズ・ハイファイに対する、＜Outlook Festival＞のリスペクトの深さの現れだろう。そんな誉れ高いMungo’s Arenaは＜Outlook Festival＞の会場の一番奥に位置する。そのアクセスにも関わらず、常に入場制限がかかっている人気ステージだ。＜Outlook Festival＞に来たならば、一度はグラスゴーから運んできたマンゴズ・ハイファイのサウンドシステムを体験しよう、という人達が長蛇の列をなしており、その行列は朝方まで続いていた。

午前4時半から始まったP2Sのセット。最終日の朝方ということもあって、ゆっくりした滑り出しに見えたが、後にそれは彼等のアーリータイムだったことに気付く。中盤に差し掛かろうとしたところ、P2Sは満を持してジャマイカ生まれのロンドン育ちの「Yardie」ことSTYLO Gの“BADD”のダブプレートをド投入。ステッパーズやライブ中心だったMungo’s Arenaの空気を、一気にダンスホール・レゲエのバイブスに変えてしまった。当然のごとくリワインドのリクエストの嵐！　ダブプレート満載のセットであったが、最後の曲に彼等が選んだのは、今年9月4日に急逝した名トロンボーニスト、リコ・ロドリゲスに捧げる“A Message To You Rudy”。リコのトロンボーンでMungo’s Arenaのステージを締めくくった。オーディエンスからの最大の賛辞“One More Tune! One More Tune！”コールを受けつつも、会場の使用制限もありここでお役御免。

9月10日、ロンドンのインターネット・ラジオ最前線、Radar Radioに潜入！

ロンドンのインターネットラジオの熱が今さらに加速している。もともと根強い海賊ラジオ文化に加えて、スマートフォンやSNSの普及により、手軽にどこでも高音質の音楽が聞けるようになった現在、インターネット・ラジオ局が次々と生まれている。国営放送BBC 1XTRAでグライムDJのローガンサマが番組を持ったり、海賊ラジオから出発したRinse FM、グライム黎明期のMCたちが屋上でスキルを切磋琢磨したDeja Vu FM、東ロンドンのMode FM、インターネット専門ラジオのNTS Radio、ライブ動画をストリーミングするBoiler Roomなどが、それぞれの独自の手法で、新たな価値観を提供しようと切磋琢磨している。競争がさらに激しくなっている時代の最中、昨年秋インターネットラジオ局のRadar Radio（レーダーレディオ）は開局した。立派なスタジオとプラクティス・ルーム、その立地の良さから、今やベテランから若手のアーティストやレーベルの信頼を得て、彼等の交流の場となっている。

筆者がグライムのMCたちの写真を撮影しにRadar Radioへ行った際、P2Sがヨーロッパツアー中にロンドンにも来るとRadar Radioのスタッフに伝えたところ「ぜひ出演してほしいな！」とオファーを頂いた。今回は生放送ではなく、事前に2時間のセットを録音し、後日放送する形となった。

ロンドンの東ロンドン、オールドストリートにあるRadar RadioのスタジオでP2Sが録音していると、Formula Recordのテラ・デンジャー、シリアス・ワン、DJ チャンピオン、ロンドンの若手注目株のMCのジャムズがスタジオをわざわざ訪問してくれた。P2Sは録音終了後、彼等との旧交を温めながら、人が聞いたら驚くような新曲の話やダブプレートの話などをラフにしていた。インターネットとSNS、そしてインターネットラジオのスタジオというヴァーチャルとリアルの場所をアーティストたちは行き交いながら、次のアイディアを実現させていくスピード感は本当にスゴイ！　ロンドンに着いてからP2Sの二人は「高い！　すべてが高い！　円安を肌で感じる」と、ロンドン（とアベノミクス）の洗礼を受けていたが、しばしの滞在を楽しんだ後、次のライブ会場のある、ブリストルへと向かった。