解説③ 影響を与えた(であろう)バンド
そして③は、筆者の妄想込みでテーム・インパラが影響を与えた(であろう)バンドだ。Qeticでもしつこいぐらい触れてきたように、ここ数年のロック・シーンのトレンドといえばズバリ「サイケデリック」。その起爆剤となったのが、彼らの傑作2nd『ローナイズム』だった……というのは決して間違った見方ではないだろう。
当のケヴィン本人は「実は、俺自身は前回のアルバムがサイケデリックだとは思ってないんだよ。でも皆はあのアルバムをサイケデリックと呼ぶんだよね(笑)」と語っているが、テンプルズ、トーイ、ザ・ウィッチーズなどの〈ヘヴンリー〉周辺や、ブルックリンのヤング・マジック、ショーン・レノンが恋人/モデルのシャーロット・ケンプ・ミュールと組んだTHE GOASTTといった連中が次々とサイケの名盤をリリースしたのは、『ローナイズム』で描かれたサウンドに少なからず触発された部分もあるはずだ。
▼The GOASTT (The Ghost of a Saber Tooth Tiger) – “Animals”
でも、これらはほんの氷山の一角。ケヴィン・パーカーが蒔いた種は、これからも万華鏡のようにグルグルと世界を駆けめぐっていくに違いない。では最後に、2年前の<フジロック・フェスティバル>出演時のエピソードも飛び出した、レーベルからのオフィシャル・インタビューをご覧あれ!
text by Kohei Ueno
family Tree by Cozue Yoshimura
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