■Kai Takahashi

〈マルチネ・レコーズ〉を筆頭にした日本のネット・レーベルとの親交が深い2組に対して、よりインディ・ロック~チルウェイヴ的なシーンから登場したのが、鎌倉在住のマルチ・クリエイター、Kai Takahashi。彼は自身のソロ名義ではチルウェイヴ以降の感覚を持ったサマー・ブリージンなトラックを多数発表。その一方で、〈Ano(t)raks〉からリリースしたSlow Beachなどではバンド編成での音楽を追究し、Slow Beach解散後にスタートさせた新バンドLucky Tapesでも、4月2日にデビュー・シングル“Touch!”のリリースを予定(ここにはAvec Avecのリミックスも収録)。ちなみに、深田恭子が出演した『ポカリスエット イオンウォーター 目撃・バカンス篇』のCMで流れている曲も、実は彼が手掛けたもの。まだ彼の音楽を知らない人も、このCM曲は一度は耳にしているはずです。

『ポカリスエット イオンウォーター 目撃・バカンス編』

■N.O.R.K.

厳密に言うとヴォーカリスト&トラックメイカーのユニットではあるものの、ザ・ウィーケンドやハウ・トゥ・ドレス・ウェルといった海外のオルタナティヴなR&B勢と共振するクオリティの高い楽曲を生み出しているのが、共に91年生まれのヴォーカリスト・小袋成彬とトラックメイカー・國本怜による2人組、N.O.R.K。とはいえ彼らの場合、トラックにはクラシックやジャズからの影響も顕著で、現在進行形の海外の音楽シーンに影響を受けたというよりは、図らずも共振してしまったという方が正しいかもしれない。英語詞で歌われるヴォーカルも相まって、その音楽を聴いただけでは、日本人だと想像できない人も相当数いるはず。小袋成彬は注目の新興レーベル〈Tokyo Recordings〉の酒本信太とタッグを組んで、香港生まれアニメイト育ち(?)のポップ・アイコン、綿めぐみの楽曲制作も担当。N.O.R.K.としてだけでなく、互いの課外活動にも注目を。

綿めぐみ -”災難だわ”

(text by Jin Sugiyama)