<UMF>の歴史を探る。EDM系フェスの定着は2012年?

では一体いつからEDM系フェスが定着してきたのかを探っていくことにする。ちなみにこのジャンルのフェスは同じ冠で国内展開はもちろん世界展開を頻繁に行うことが非常に特徴的。当たり前のように「UMF日本上陸!」などと騒いでいるが、これまでの音楽フェス文化において主流と言えるロックフェス(イギリスで開催される世界最大の音楽フェス<グラストンベリー>、アメリカ最大規模のフェス<コーチェラ>、日本で言えば<フジロック>など)は基本的には一年のうちで決められた時期に決められた場所で開催される。そういう意味でダンス系、特にEDM系フェスの「海外展開」というのはそのフェス自体の状況や新規開催国の市場規模を見極めるとっておきの材料になり得る。というわけで「入場者数や開催日数の拡大」と「海外展開」という視点から見ていきたいと思う。

EDMの代表と呼ばれる老舗フェスの2つを取り上げるとすると、<Electric Daisy Carnival(以下、EDC)>、そしてついに日本上陸が決まった<ULTRA MUSIC FESTIVAL(以下、UMF)>だ。これらは昨今のEDM流行以前から長年、昨今のEDM流行以前から長年開催されてきたフェスであるが、EDMの流行に伴い2010年以降、来場者数が急増するというようなことが起こった。フェス側はうまくEDMというシーンを活用し、自らのフェスの拡大に成功したと言えるだろう。特に<UMF>の拡大がそれを端的に物語っている。99年からのマイアミでの1デイ・イベントに始まり、06年からは2デイズ、11年からは3デイズ開催と徐々に規模を拡大してきた。さらに海外展開で言うと、07年のイビサに始まり、08年サンパウロ、12年にはブエノスアイレス、ソウル、サンディエゴ、13年にヨーロッパ(クロアチア)、そしていよいよ14年に日本上陸となる。EDM系フェスを代表する<UMF>の動きから考えて、11—12年というあたりで世界的にEDM系フェスが定着してきたと言って間違いないだろう。

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