10月29日(土)よりBE AT STUDIO HARAJUKUにてデジタルアート/NFT/骨董品が会するリアルイベント<デジタル骨董展ーこれからの所有と価値を考える>が開催される。
『デジタル骨董』とは? 未来のアートを考える展示会が開催
『デジタル骨董』というなんとも不思議な言葉が浮かんだのは、昨今のNFTアート市場の動向を横目に見ながら、「100年後には画像データをあたかも骨董品のように愛でているのかもしれない」と思ったことがきっかけだった。従来、「物理的な所有が可能か」という点において、対極に位置していた骨董品とデジタルアート。しかし近年、ブロックチェーン技術の発達に伴い、コピーが容易なデジタルデータに対して唯一無二な資産的価値を付与する「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」が社会実装され、デジタルアートは「いつ、誰が」所有してきたかを明確に証明することが可能となった。
これは、愛好家によって代々継承されることで価値が形成されてきた「骨董」とデジタルアートも同じ土俵に立てることを意味しているのではないか。だとすれば、日々生み出される無数の画像データですらも、未来の骨董品になりうるのかもしない。とはいえ、千利休や豊臣秀吉が生きた時代には、一国一城の価値があるとも讃えられた「茶器」などと比べて、「画像データ」は果たして本当に同様の価値を生み出すのだろうか。時代の潮流によって一時的に高騰しているとも見えるNFTアートの市場は果たして、本当に価値あるモノとして未来へ継承されるのか?
本展は、これからの「価値」と「所有」が果たしてどこへ向かうのかを考察する展覧会である。これまで、モノの価値がどのように変化してきたかの歴史を振り返りながら、NFTによるデジタルデータの「希少性の担保」と「所有者の明確化」が可能となった現代を時代の境目と捉える。本展示で問いかけるのは、「価値とは何か?」という人類の営みの本質である。
出展者には、exonemo《Metaverse Petshop》、加藤明洋《Wan Nyan Wars》、HUMAN AWESOME ERROR《民主的工藝》、藤幡正樹《Brave New Commons》、高尾俊介《Generativemasks》らがラインナップ。 「Introduction なぜ価値と所有なのか?」「Chronology 価値と所有の年表|骨董とNFT」「Analyzation モノが価値を持つとは?」「Question これからの価値と所有とは?」とそれぞれのテーマをもとに構成された本展示をぜひその目でご覧いただきたい。
EVENT INFORMATION
デジタル骨董展ーこれからの価値と所有を考えるー
2022.10.29(金)〜13(日).
11:00〜20:00
BE AT STUDIO HARAJUKU(ラフォーレ原宿6F)
入場料:無料
主催:BE AT TOKYO
企画プロデュース:有國恵介(BE AT TOKYO/FLOWPLATEAUX)
企画・編集:桜井祐(TISSUE Inc.)、塚田有那(一般社団法人Whole Universe)
監修:鞍田崇(哲学者)、加藤明洋(アーティスト/エンジニア)
協力:吉田真一郎(近世麻布研究所)、菅原夢愛、吉祥寺PukuPuku
空間デザイン:赤羽伸哉
アートディレクター:畑ユリエ