婦によるアートユニット・檻之汰鷲(おりのたわし)。目的はアート制作で「幸せな人生をつくる」こと。通常の絵画技法とは異なり、あらゆる性質とロジックのばらばらな素材を偶然と閃きによって組み合わせるコラージュが活動の中心にある。

檻之汰鷲は「美術の美とは羊のこと。昔は財産である羊の代わりに絵を使った。戦争などの緊急時、羊を連れて移動できない人々は、絵を運び他のモノと交換した。美とは羊で羊はお金だった。」という話から問題は価値だ。アートは高いものと勝手に決めつけているけど、そんなことはない。そうやって価値について周りを見渡してみると、この世の中を狂わせているのはお金なんじゃないかと閃いた。」と述べている。

そこからお金についての展示会を開こうと考え、開催されるのが<贋金づくり-檻之汰鷲作品展->である。贋金とは自分の作品のこと。会場では、手頃な値段で作品が販売される。檻之汰鷲という無名の作家が作品を販売するから、「贋金」が相応しい称号なのだという。作品を気に入れば、オーナーになってもらい、今後の檻之汰鷲の動向に注目してもらおうという魂胆があるというから抜かりないものだ。

目指すは現代の錬金術。夫婦アートユニット、檻之汰鷲が展示会<贋金づくり>を開催。 art130530_nisegane_sub1-1

目指すは現代の錬金術。夫婦アートユニット、檻之汰鷲が展示会<贋金づくり>を開催。 art130530_nisegane_sub2-1

「いまは時代の転換期」という檻之汰鷲は、これから1年間、世界を巡ってアート活動を展開する。これは、「ライフスタイル」をつくるというアート・パフォーマンスであり、次の世代に希望ある生き方を探しにいくという、少し現実離れした夢物語である。この展示<贋金づくり>はまさにその為の投資。また、資本主義社会が得意とするマネー・ゲームに見立てた遊び。さらに、近い将来、作品を所有してくれた人々に価値をお返しすることを目的とした遊戯と位置付けられている。

ここまでくれば、檻之汰鷲という名を知らなくても、きっと興味が沸いてくるはずだ。あなたもこのマネー・ゲームに参加したくなってきたのでは? また、この遊戯を盛りたてるオープニングパーティーにもご注目。今までに<フジロック・フェスティバル>のオールナイトフジや<ハシエンダ大磯フェスティバル>、<ONENESS CAMP>など数多くの音楽イベントのプロデュースや制作に携わってきた檻之汰鷲(夫)が、その審美眼でチョイスした最高の音楽家が一同に集結しているのだ。開催地は南青山に新しくオープンした話題のDJバー「GRID」。扉をあけた瞬間から非日常な未来空間が広がることだろう。

この展示会で檻之汰鷲の作品が全て売れてしまえば、今後作品が一堂に会する機会はやってこないかもしれない。しかも開催期間は二日間。この貴重な機会をお見逃しなく。

text by Naomi Ise

Event Information

贋金づくり-檻之汰鷲作品展-
2013.06.01(土)@GRID smart lounge
オープニングパーティー:OPEN 18:00/CLOSE 24:00
DOOR ¥1,000
LINE UP: DJ: Asano Tadanobu 、J.A.K.A.M.(NXS/CROSSPOINT)、Supermaar (aka DJ MAAR)、Tommy The Royal、Dance: KATOPE, SEIRA, Natsuki(メイク)

2013.06.02(日)@GRID smart lounge
OPEN 13:00/CLOSE 22:00
クロージングパーティー:19:00~
DJ::Bryan Burton-Lewis、Matsusaka Daisuke (Off-Tone)
DOOR ¥FREE