音楽アーティストxiangyu(シャンユー)が今度は、横浜のドヤ街・寿町へ通い、執筆したノンフィクションルポエッセイが本日11月25日(金)に小学館より発売。

xiangyuルポエッセイ『ときどき寿』|いとうせいこう、蓮沼執太、食品まつりらがコメントを寄せる

本作は、xiangyuが6年以上通い続ける寿町で出会った10代からこの町に住み続けて60年近くになる“ヤマさん(仮名)”と交流を重ねていくうちに、一本筋の通ったヤマさんの生き方に感銘を受けていくルポエッセイ。なかなか知ることのできないこの町での暮らしや住人達の実情、そして町に溶け込むことのできたxiangyuの人となりが見えてくる過去や日常についても描写している。

こちらは2017年から始めたカジュアルファッションマガジン『Maybe!』での連載「寿日記」をまとめ、新たに加筆したxiangyuとして初の単行本デビュー作だ。また、本作『ときどき寿』が原案となり映画化となった『ほとぼりメルトサウンズ』が本日11月25日(金)から12月1日(木)まで出版記念としてUPLINK吉祥寺で上映されることが発表されている。

初日11月25日(金)と11月29日(火)にはxiangyuもトークイベントに参加するとのこと。また、書店でのイベントも1月22日(日)に青山ブックセンターで開催されることに。ぜひ、書籍と合わせてこちらもチェックしてほしい。

xiangyu、ルポエッセイ『ときどき寿』発売|寿町で出会った年の差48歳の親友との交流を描く culture221125-xiangyu-02

シャンユー、ドヤ街に通う。ひとりの人として。この力の抜け方が誠実さそのもの。

いとうせいこう(作家、タレント)

xiangyu という世界に住んでいるアユが教えてくれた、寿町で出会った人々と場所の記録。真っ直ぐなアユの視点が、あたたかく友達と寿を見つめる。一気に読んじゃった。xiangyu ありがとう!

蓮沼執太(音楽家)

なんだか救われました笑 心地よく生きていくヒントがここに詰まってます。

丸山健志(映画監督、映像ディレクター)

シャンユーちゃんと寿町の人たちの交流の中での気づきにハッとさせられるところがいくつもありました。読み終わったあとじんわりときます。一人行動が好きな人に読んでほしい内容です。

食品まつり a.k.a foodman(音楽プロデューサー)

寿町のことは関東では有名なドヤ街として名前は知っていた。興味を惹かれる部分がありつつも別に行く用事はなく、怖いもの見たさのような動機で訪れるのも気が引けて、いまだ一度も足を踏み入れたことはない。この『ときどき寿』を読むと、寿町の特殊さよりも、どこの街であろうと変わらない生活の営みみたいなものの方が印象に残った。人はよく知らないものに勝手に恐れを抱いたり面白がったりする。知らない街を知るということは、そこが思っていたほど特別な場所ではない、と気づいていくことなのかなと思った。
途中からはもう普通に友達に会うために寿町へ行っている感じが好きでした。

吉田靖直(トリプルファイヤー)

使命感、ゼロ。先入観、ゼロ。ラフでタフな好奇心が彼女を現場へ連れて行く。
ホームレスの人たちとのつきあい方は、けっこう難しい。良かれと思ったことが、相手にとっては大きな負担になる場合もある。人と人とのつきあいだから正解なんてないのに、
ともすれば僕たちは正しいやり方を探してしまう。そんな現場で、xiangyuはひたすら話を聞く。ときには、大人の僕から見ると、これは危なっかしいぞとヒヤヒヤさせられるような聞き方も交えながら、それでも彼女は話を聞く。そうやって、ついウェットになりがちなドヤ街の話を、踏み込みすぎず、偏りすぎず、これでいいのかと迷いながら、xiangyuは自分自身と重ねていく。
僕たちが誰かとつながるためには、相手を知るしかない。何度も出会い、話すことを繰り返して、ようやくほんの少しだけ相手のことがわかってくるのだし、自分のこともわかってもらえるのだ。きっとxiangyuはそれを知っているのだろう。彼女が寿町のドヤ街の中に、小さな居場所を見つけたとしたら、ドヤ街に住む人たちもまた、彼女の中に小さな居場所を見つけている。そうやって僕たちはつながっていくのだ。勢いのある話し言葉で書かれたこの本を読みながら僕は、『それでね、そのとき私はこう思ったんだ』と彼女が目の前で話してくれているような気がしていた。

浅生鴨(作家・広告プランナー)

xiangyuが興味を持ったこと、東かほり監督が興味をもったこと、そして私が映画の台本を読んで興味を持ったこと、そして映画が作られたこと、そのすべてがこの本に詰まっています。始まりはこの本、xiangyuのルポルタージュです。自分の居場所や着地点ほどわかりにくいものは無い。決定も出来ない。動いていれば、ヤマさんじゃないけれど、今が一番楽しくなる。所や点なんて年がら年中移動するものなんだなと、この本を読んで再確認しました。
実に歯ごたえのあるルポ、文章、xiangyuの友達、寿町。子供の頃、大田区の海沿いで育った私はおふくろに、寿町、黄金町、日ノ出町は行くな、と言われていました。でも生まれたところとそんなに大差ない。ただ子供の歯では噛みきれない町なんだろうな。それを咀嚼したxiangyu、見事です。きっと血や肉が寿になっているでしょう。

鈴木慶一(moonriders)

なにかと境界線を引かれがちな今日で、遠いようで近く、近いようで遠いふたりの日々はそれらを颯爽と飛び越え混ざり合っていく。
xiangyuちゃんの描く愛しい「せいかつ」のディテールは、音楽になっても、エッセイになっても私を魅了してくれます。

ぷにぷに電機(ミュージシャン)

6年位前からずっと通っている、横浜・寿町。その町に住んでいる人達との交流の記録が一冊になりました。小・中・高・専門学校、社会人になってからもずっと自分の居場所探しをしていた私は、寿町で親友!と呼べる友人が出来ました。
私の日常生活の話です。是非覗いてみて下さい。

xiangyu

映画『ほとぼりメルトサウンズ』予告編

INFORMATION

ときどき寿

xiangyu、ルポエッセイ『ときどき寿』発売|寿町で出会った年の差48歳の親友との交流を描く culture221125-xiangyu-01

2022年11月25日(金)

著:xiangyu

¥1,540(tax incl.)

【書店イベント】

2023年1月22日(日)18:00〜19:30

会場:青山ブックセンター本店

書籍「ときどき寿」映画「ほとぼりメルトサウンズ」