寒の砌、暦の上では大寒を越え立春を迎えたとは言えまだまだ寒い日が続きますが、皆様におかれましては、益々、ご壮健であられること、心からお喜び申し上げます。

さて、今回は「バレンタインに捧げるレシピ」を紹介致します。

来たる、2月14日バレンタインデー。
かつては、意中の人にチョコレートと共に想いを伝えるものでしたが、近年では同性同士の友情の証や、家族の親愛を表す為など、様々な想いを込めチョコレートを渡す様になってきました。

読者のみなさまは、様々な人からチョコレートを貰うことでしょう。

しかし、沢山のチョコレートを貰ってしまうと、食べているうちに、チョコレートに込められた意味もわからず、ただ、甘いと感じるだけになってしまいます。送り手の意図や気持ちも読めずに、ただ、食すだけでは、何も貰ってないのと一緒ですし、送り手に対し失礼です。

そこで、受け取ったチョコレートの味と意味を良く噛み締められる様に、チョコレートの特徴である甘みとコクに対してカウンターとなり、より鮮明にチョコレートの味を理解し、想いを受け取る一助になる様な料理を考えました。

それは、「昆布梅」です。

甘みに緩んだ味蕾を梅の強い酸味と塩味で味蕾を引き締め、総合的な感覚によって引き起こるコクに対し、生理学的な反応である昆布の旨みをぶつけることで打ち消すのではなく、比較対象を作り、より鮮明に味わえれる様にしました。

是非、より良く味わい、送り手の意図を察する一助にお使いくださいませ。

最後に、毎度のことでくどくなり申し訳ないのですが、料理というものは、条件、環境など、様々な要因によって変化します。◯◯を△△グラム、××分加熱するなんてレシピは融通が効かない堅苦しいものでしかありません。そこで、「〇〇へ捧げるレシピ」では、大まかな流れを説明するのみで、読者のみなさまが、アレンジを加えやすいように致しました。

下記にレシピをまとめたので、ご参照下さい。

バレンタインに捧げるレシピ:昆布梅

材料
梅干し…10粒
昆布…適量

作り方
①昆布を清潔な布を硬く絞ったもので表面を拭く
②タッパーなどの保存容器に昆布を敷き、その上に梅干を乗せ、その上に蓋をする様に更に昆布を乗せ蓋を閉める
③一晩漬けて完成。
※漬け込むほど、味が深まります。バレンタインデーの後には、日本酒や、焼酎の肴にもなります。

「昆布梅」 - バレンタインに捧げるレシピ column150212_okamura_2

岡村飛龍
「昆布梅」 - バレンタインに捧げるレシピ column_recipe_okamura-in01