トロントで暮らす人々

北アメリカに位置するということで、渡航前は金髪の白人ばかりなんだろうと勝手に想像していました。ですが、実際のトロントには海外からの移民や留学生が多く生活しており、アジア人(特に中国人)もたくさんいます。ダウンタウンを数時間歩けば、日本人とも数人はすれ違います。

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このように、世界各地の人種が集まるトロントは、人種のモザイク都市と呼ばれています。カナダ自体が多民族国家で移民が多い国ですが、トロントはよりその傾向の強い都市らしい。

人種のモザイク……モザイク模様のように様々な文化や民族が独立しているものの、大きく見ると一つの国(都市)として調和がとれていること。

前述の通り、移民街に行くと各々の母国語が聞こえてきます。極端な話、そのコミュニティ内だけだったら、英語を使わなくても生活できてしまうのです。実際、チャイナタウンのレストランで、英語が全く通じない店員に接客を受けたこともありました。

国籍も人種もバックボーンも違う様々な人々が集いながらも、互いの個性を保ちながら共存共栄していく街・トロント。それが当たり前だからなのか、生活する上で差別や偏見を感じたことがほとんどありません。トロントの人々は、僕の拙い英語でも一生懸命に理解しようとしてくれます。基本的に皆フレンドリーで、些細なことも気にかけ、率先して手を差し伸べてくる人が多いです。ちなみに街のPOLICEも気さくな人ばかり。

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国籍・人種だけでなく、性による差別、年齢による差別も少なく感じます。実際に例を挙げると、カナダではレジュメ(履歴書)を作成する際は性別・年齢を記載する必要はありません。面接でも年齢や生い立ちを聞くことはNGとされています。また、カナダは同性婚が認められている国で、セクシャルマイノリティーが住みやすい国としても有名。街で手を繋いで歩く同性カップルをよく目撃します。ゲイタウンも存在します。

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郷に入れば郷に従え

トロントで受けた一番のカルチャーショック。それはチップの文化です。チップって日本人には馴染みないですよね。僕も最初はそうでした。チップは心付け(気持ち)という認識でいましたが、カナダ(北米)においてチップを渡すことは、「心付け」というよりも「マナー」に当たります。レストランで料理を提供してもらったとき、タクシーに乗せてもらったときなど、何かサービスを受けたときにはチップを払うという暗黙のルールになっています。

では、なぜチップを払うのか? チップ文化の考え方は、賛否両論ありますが、以下の記事がとてもわかりやすく、僕の意見を代弁しています。チップを払う6つの理由。どれも当てはまっていると思います。カナダではなくアメリカに関する記事ですが、ぜひ読んでみてほしいです!

アメリカ人に直接聞いてみた!チップを払う6つの理由

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正直な話、僕はトロントに来た当初、渋々チップを払っていました。ですが、いざ自分がチップをもらう立場になってからは考え方が変わりました。

僕は現在トロントで、レストランのサーバー(ウェイター)として働いています。一日働くと、時給とは別に50ドル(約4000円)前後のチップを稼ぎ、大いにその恩恵を受けるようになりました。

これは働く側(チップをもらう側)の偏った意見になりますが、「できる限りお客さんの要望に応えて、満足のいくサービスを提供できれば、その対価がチップに反映される。」「忙しい日(=売上が高い日)は仕事が大変だけど、その分稼げるチップも増える。」など、自分の仕事の成果が毎日目に見えて分かる。すごくシンプルで分かりやすいので、働く上でのモチベーションに繋がります。もちろん、チップありきで仕事の質を変えてしまっては本末転倒。これはあくまでチップの有無に関わらず、きちんとしたサービスを提供するべきというのが前提にあっての話ですが。

またチップの恩恵を受けると同時に、「お客様は神様」精神の日本ではごく当然のことである「サービスを受ける」という行為へのありがたみを気付かされました。

このようにチップの文化の中で生活することは、日本ではできない発見ができ、新しい考え方が芽生えるきっかけとなりました。個人的にトロントで体感した最も貴重な経験の一つです。
その他、日本との比較。

メリット

・ライブのチケット代が安い → 日本だと5000円程度のライブが、トロントだと20ドル=1600円程度
・古着が安い
・生鮮食品に税金がかからない → 自炊すればかなりの節約に
・公共交通機関が24時間稼働している → 深夜はナイトバスが走っている
・夏は日照時間が長く、気温も湿度もちょうど良い
・旅行しやすい → 北米・中南米・ヨーロッパへの旅行が楽

デメリット

・お酒に関する法律が厳しい → 屋外で飲めない・コンビニやスーパーで気軽にお酒を買えない・午前2時以降はバーやクラブでもお酒の提供ができない
・盗難が多い → 半年で2回、自転車を盗まれました
・時間にルーズ → 公共交通機関の遅延もしばしば
・冬は日照時間が短く、とにかく寒い → 今年は57年ぶりに最低気温-22℃(体感-30℃)を更新しました。

まとめ

早いもので、気づけば僕のトロント生活も9ヶ月が経ちました。肝心の英語力は……まあ、ぼちぼちは上達しているかな(笑)。当初は、身振り手振りで最低限のことを伝えるのがやっとでしたが、会話のキャッチボールができる位には成長しました。英語環境の中で働き、外国人の友達も増え、なんだかんだ充実した日々を過ごしています。まだ数ヶ月残っていますが、僕はワーホリをしてみて、本当に良かったなと実感しています。
文頭でも書きましたが、興味を持った方はぜひワーホリしてみてください。別にトロントじゃなくてもいいんです。日本を飛び出て、知らない文化に触れ生活する。新鮮で刺激的な経験ができると思います。自分の肌に合わなかったら日本に帰ればいい訳ですし。30歳以下に与えられるこのチャンス、皆さんトライしてみては?

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