<映画>

()内は全て米国での公開日、タイトルは全て原題

J・J・エイブラムスによる『スター・ウォーズ』新作、『アべンジャーズ』の第2弾、14年ぶりの『ジュラシック・パーク』新作と大作が続々公開される2015年ですが、ここではあえて日本ではまだあまり話題になっていない公開未定の作品を中心に紹介します。

『Inherent Vice』(公開中)

上記のレディオヘッドの部分で少し紹介しましたが、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ザ・マスター』等で知られるポール・トーマス・アンダーソン監督(以下、P.T.A監督)新作『Inherent Vice』が現在、全米公開中です。既述作品のようなP.T.A監督のシリアスな作風とは打って変わって今回は会話劇中心のブラック・コメディー。1970年代のロサンゼルスを舞台にホアキン・フェニックス演じるヤク中探偵・ラリーが元恋人にある調査を依頼され、当時のLAの街を包む様々な悪に振り回されるというドタバタミステリーになっています。また、原作のトマス・ピチョン作『LAヴァイス』は邦訳もされているので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
※予告編(上動画)のジョシュ・ブローリンのヘンテコな日本語は必見です!

『True Story』(04.10)

コメディー映画常連のスティーブ・カレル、チャイニング・テイタムが全力で演じきった『フォックスキャッチャー』も最高でしたが、今年はこれでしょう。『The Interview』で世界中を騒がせたばかりのジェームス・フランコとジョナ・ヒル出演の笑い一切なしのサスペンス映画『True Story』です。物語は捏造でクビになった元NYタイムス記者=マイケル・フィンクに届くある一本の電話から始まります。電話の内容は「妻子を殺し、FBIに凶悪犯に指定されていたクリスチャン・ロンゴという男が逮捕までにNYタイムスのマイケル・フィンクになりすましてメキシコで逃亡していた」というもの。そこからマイケルは彼のもとに出向き、交流が始まります。そこに奇妙な信頼関係が生まれ、クリスチャンも心の内を開けていく・・・・・という内容。この話の何がすごいかって、実在の人物=マイケル・フィンクの自伝を基にしているということなんですよね。囚人とジャーナリストの関係といえば『凶悪』なんて作品もありましたが、事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものですね。

『Ex Machina』(04.10)

『28日後…』『サンシャイン 2057』の脚本家、『ザ・ビーチ』の原作者=アレックス・ガーランドの初監督作品。IT企業に勤めるプログラマー、キャレブ(ドーナル・グリーソン)が社内のコンペで優勝し、CEO・ネイサン(オスカー・アイザック)が保有する山奥の隠れ家兼研究所に招待されるが、そこでは同社が開発する人工知能(A.I.)の新ブランドAVAの実験が行われ、思いも寄らぬ展開に巻き込まれるというSFミステリー。ダニー・ボイル監督作品には欠かせない脚本家初監督作品なだけに非常に楽しみな作品です。また余談ですが、ドーナルとオスカーの2人は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にも出演が決定しています。SF作品という共通点があるだけにそれぞれの役所にも注目したいところです。

『The Walk』(10.02)

1974年に世界貿易センタービルのツイン・タワーの間を一本のワイヤーのみで綱渡りを成功させた大道芸人=フィリップ・プティにまつわる話。傑作ドキュメンタリー『マン・オン・ワイヤー』は日本でも話題にもなりましたが、今作はジョセフ・ゴードン=レヴィット主演による伝記映画となっております。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』で知られる巨匠・ロバート・ゼメキス。予告編からはまだ内容がわからないですが、濃〜い人間ドラマになること間違いなし。

著者プロフィール

【山田泰介のNYひとり相撲】
山田泰介
元Qetic編集部。現在は編集部を巣立ち、ニューヨークに在住。今後はこの場所をお借りして、現地の音楽/映画/アートなどの情報を始め、生活〜恋愛事情(?)をお届けさせていただきます。