9月6日(土)より公開となる、台湾の巨匠ツァイ・ミンリャン監督の引退作『郊遊<ピクニック>』

“現代”と“孤独”を、独特のユーモアを包み込みながら、監督独自の美学で描き続けてきたツァイ・ミンリャン監督が、最後の公開作となる本作で映しだしたのは、現代の台北で、水道も電気もない空き家で暮らす父と、幼い息子と娘の家族。不動産広告の看板を掲げて路上に立ち続ける「人間立て看板」で、わずかな金を稼ぐ父親の孤独と、貧しい暮らしでもまるで街を漂流するピクニックのように暮らす子供たち純粋なきらめきの交差を、デジタルの美を追求した映像と豊饒な音でこれまで以上に大胆に描いた本作は、ツァイ・ミンリャン的映画の冒険の到達点に達した傑作、と世界中で高く評価されてきた。

そして日本でも公開を前に熱い批評家の絶賛とともに、様々なアーティストからの絶賛コメントが到着した。中でも漫画家のしりあがり寿氏からは、「監督の強烈な意志に圧倒された。人間がテーマの画廊に足を踏み入れたよう。」という大絶賛コメントとともに、「映画が良くて、力が入っちゃいました。」と映画にインスパイアされた3点のイラストが到着。

しりあがり寿氏といえば、シュールで哲学的、幻想的あるいは文学的な、長編マンガ、風刺4コママンガで様々な賞を受賞、本年は「春の褒章」紫綬褒章を受章した漫画家であり、さらに映像、アート、ゲーム、エッセイなど多方面でも活躍するアーティスト。届いたイラストは、いずれも映画の世界観が重なり、シュールでユーモアを感じさせつつ人間の深淵も伺える、まさにしりあがり寿版『郊遊<ピクニック>』の世界だ。

そしてこの度、その中から、美しい赤が印象的な家族3人を描いたイラストをビジュアルとして採用した『郊遊<ピクニック>』×しりあがり寿コラボレーションちらしが完成! ちらしの裏面にはしりあがり寿氏のほかに、美術家の奈良美智氏、写真家のホンマタカシ氏、写真家で今年の木村伊兵衛写真賞を受賞した森栄喜氏といったアーティストや、デビュー作以降ツァイ・ミンリャン作品を応援し続けてきた俳優の片桐はいり氏、国内外の映画評論家など様々な著名人からのコメントが掲載。ツァイ・ミンリャンの引退作にふさわしい豪華なコメントチラシとなった。なお、しりあがり寿氏から寄せられたイラスト全3点と著名人全コメントは、映画の公式HPにて公開中。

『郊遊<ピクニック>』

9月6日(土)シアター・イメージフォーラム、シネ・リーブル梅田他全国順次公開!!

監督:ツァイ・ミンリャン
出演:リー・カンション、ヤン・クイメイ、ルー・イーチン、チェン・シャンチー 
原題:郊遊 英語題:Stray Dogs
2013年/台湾、フランス/136分/DCP/カラー/1:1.85/中国語 
後援:台北駐日経済文化代表処 
配給:ムヴィオラ