世界中で大ヒットしているトム・ホランド主演「スパイダーマン」シリーズ最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が1月7日(金)に全国公開を迎える。第1弾予告編が解禁されるやいなや、予告編の<公開後24時間の視聴数>が全世界で3億5,550万回を記録。これまでの映画作品の中で最も視聴された予告編(※Sony Pictures Entertainmentより発表)となり、先日解禁された予告編では、「スパイダーマン」だけでなく、多くのワードが世界中でトレンドを席巻するなど、シリーズ3作目にして、公開前から早くも世界中から大きな期待が寄せられている。

何がここまで世界を熱狂させているのか? それは現在進行しているトム・ホランドが主演の最新「スパイダーマン」シリーズ以前に制作されてきたふたつの実写映画「スパイダーマン」シリーズに登場する敵がシリーズを超えて出現したことだろう。そして、それによって明らかになった本来交わることのない3つの作品が一つになった”マルチバース“の存在だ。しかしそもそも一体、マルチバースと何なのか? なぜマルチバースが出現すると、作品はぐっと面白くなると言われているのか? 今回は作品を観る前に知っておきたい、“マルチバース”についてフォーカスして紹介!

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で描かれるマルチバースとは?

本作は、スパイダーマンであるという正体をばらされてしまい、大切な人に危険が及ぶことを恐れた主人公のピーター・パーカー(トム・ホランド)が、世界中の人から自身がスパイダーマンだという記憶を消してほしいと、魔術を操るスーパーヒーローのドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)に力を借りに行くところから始まる。しかし、頼みを聞いたストレンジが唱えた呪文によって時空が歪んでしまい、出現したマルチバースによってふたつの人生を同時に歩み始めたピーターは、ストレンジから「このままだと危険だ……大変なことになる。どちらか一つを選ばなければ」と警告される――。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で描かれるマルチバースって一体なに!?公開前に徹底解剖 film211125_spiderman_nwh_10

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そもそも「マルチバース(multiverse)」とは一体なんなのか? 言葉の意味は分解すると分かりやすく、「複数の」「多くの」という意味を持つ「マルチ(multi)」と、バースとは、「宇宙」といった意味を持つ「ユニバース(universe)」を表す言葉を組み合わせたものだ。「多元宇宙論」、「パラレルワールド」、「並行世界」とも呼ばれており、複数の宇宙が存在すると仮定した理論のことを指している。要するに、現在、我々が存在する宇宙だけでなく、別の宇宙が無数に存在するかもしれないという仮説のことだ。

アメリカン・コミック(以下、アメコミ)ではマルチバースという概念が多くの作品ですでに登場している。その理由のひとつとして、来年で原作コミック生誕から60周年を迎えるスパイダーマンがそうであるように、長い歴史を持つ作品が多数存在していることが挙げられるだろう。スーパーヒーローの存在は100を超えている。そんなスーパーヒーローも、時代に合わせて同じキャラクターでもその誕生や成り立ちは変えられてきており、キャラクターの存在はそのままに、世界観をリセットするという手法が用いられてきた。

「スパイダーマン」シリーズでも、すでに映画『スパイダーマン:スパイダーバース』で描かれたように、ピーター・パーカーがスパイダーマンになるストーリー以外にも、黒人少年のマイルズがスパイダーマンとして目覚める世界や、ヒロインとして描かれてきたグウェン・ステイシーがスパイダーマン(スパイダー・グウェン)になる作品なども存在。マルチバースという概念(手法)を用いることで、さまざまなバリエーションのスパイダーマン作品を同時に生み出している。

「スパイダーマン」シリーズ以外でも、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)内ではすでにマルチバースに関する描写が多く描かれている。『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、ドクター・ストレンジが、本編で描かれた以外の1,400万605通りの未来を見たことを明かしており、その後に描かれたドラマシリーズの『ロキ』では、ロキ自身が異次元に逃亡した先でマルチバースの誕生をコントロールしている時間変異取締局(TVA)という組織につかまったうえに、ほかの次元のロキと遭遇する場面も。そこには女性のロキや子供のロキといった多数のロキたちが存在しているのだ。さらには、アニメシリーズ『ホワット・イフ…?』では、さらにスーパーヒーローたちの「もしも」の世界が描かれており、まさにいまMCUは“マルチバースだらけ“となっている。

そんなマルチバースだらけのMCUにおいて、まさにマルチバースをメインテーマにした作品がシリーズ最新作の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』なのだ。ドクター・ストレンジの呪文によって開かれてしまったマルチバースの扉によって、最もファンが盛り上がっているのは、先述の通り、過去に制作されたふたつの映画「スパイダーマン」シリーズの世界と、最新作の世界線が繋がった可能性が示されたこと。予告編には、サム・ライミ監督版『スパイダーマン』(2002)に登場する《グリーンゴブリン》や、『スパイダーマン 2』(2004)に登場した《ドック・オク》こと《Dr.オクタビアス》、そしてマーク・ウェブ監督版の『アメイジング・スパイダーマン』(2012)で登場した《リザード》や、『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)の《エレクトロ》といった、歴代のスパイダーマンを苦しめてきたそうそうたる敵たちが登場している。これまでMCUとはつながらなかったソニー・スパイダーマン・ユニバース(SSU)の2作品が、ついにMCUに合流したのだ!

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それは同時に、サム・ライミ版やマーク・ウェブ版でスパイダーマンを演じたトビー・マグワイアや、アンドリュー・ガーフィールドといった歴代スパイダーマンが集結する可能性だけでなく、現在制作されている『ヴェノム』や『モービウス』といった作品も今後MCUと関わってくる可能性も。マルチバースが開いたことで、本作は今後のシリーズにも無限の可能性を感じさせているのだ! 本作でスパイダーマンは過去の敵たちを前に一体どんな展開を見せるのか? そして今後のMCUとSSUはいったいどうなってしまうのか……!? その全貌をぜひ劇場で確かめてほしい!

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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』予告3 1月7日(金)全国の映画館で公開!  #全ての運命が集結する ──

INFORMATION

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

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2022年1月7日(金)全国ロードショー

監督:ジョン・ワッツ

出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・ファヴロー、ジェイコブ・バタロン、マリサ・トメイ、アルフレッド・モリーナ

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