12月14日(金)に吉祥寺に新しい映画館「アップリンク吉祥寺パルコ(通称、アップリンク吉祥寺)」がオープンした。オープニングパーティーには写真家のハービー・山口さんのほか、矢崎仁司監督(『無伴奏』)、山下敦弘監督(『ハード・コア』)、 富田克也監督(『バンコクナイツ』)、大九明子監督(『勝手にふるえてろ』)が登壇。

2018年12月13日
オープニングイベントレポ

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登壇者:ハービー・山口、矢崎仁司、山下敦弘、富田克也、大九明子
聞き手:浅井隆(アップリンク社長)

アップリンクと株式会社パルコが共同で吉祥寺パルコ地下2階に開業する映画館「アップリンク吉祥寺パルコ(通称:アップリンク吉祥寺)」が12月14日(金)に開業。オープンに先立つ13日のオープニングパーティーにおいて、ップリンク吉祥寺のメインビジュアルの撮影を担当した写真家のハービー・山口さんのほか、矢崎仁司監督(『無伴奏』)、山下敦弘監督(『ハード・コア』)、 富田克也監督(『バンコクナイツ』)、大九明子監督(『勝手にふるえてろ』)をお招きし、トークイベントを実施した。

最初に登場したハービーさんとアップリンク代表の浅井は、寺山修司主宰の演劇グループ・天井桟敷に浅井が在籍していた頃からの付き合い。浅井はアムステルダム公演の際に訪れたスペース「ミルキーウェイ」で体験した、ひとつの場所で同時多発的に様々なイベントが行われるというスタイルから受けた刺激が今回のアップリンク吉祥寺の構想にも影響を与えていると説明。「多様な価値観の世界の映画を通じて、違う文化を感じることができる」と、アップリンク吉祥寺に込めた思いを明かした。ハービーさんは、かつてザ・クラッシュのジョー・ストラマーからもらった「撮りたいものはみんな撮れ、それがパンクだ」というアドバイスと同じように「浅井さんとアップリンクは、永遠に響く表現を世界中から探して届けてくれる」とに勇気や幸せを与えてくれる存在であると絶賛した。ハービーさんの撮影による、オープンを記念した写真展「今日は、映画を観に行く」は、劇場に併設されたギャラリーで実施される。

続いて登場したのは矢崎仁司監督、山下敦弘監督、 富田克也監督、大九明子監督。矢崎監督は「今の社会には暗闇が必要。映画館っていろんな履歴を持った人が一同に集まり、感情がうずまく場所だから。ここには5つの暗闇がある」とアップリンク吉祥寺の魅力について持論を展開。また山下監督が「シネコンに負けない、場所としての迫力がある。ここで早く映画が観たいです」と観客目線の感想を述べた。富田監督は自身の映画制作集団・空族の初期の作品をファイヤー通りにあった頃のアップリンク渋谷で初めて上映したこともあり「最高です、吉祥寺でもいつでも僕たちの作品をかけてほしい」と活動の原点と言えるアップリンクにアピール。そして大九監督は「映画館は救いの場で社交場。映画館という存在そのものが拠り所である」と語り、「今日はなにより嬉しい日です」と“映画館マニア”として喜びをあらわにした。

イベントの後半、「今日は、映画を観に行く」というアップリンク吉祥寺のキャッチコピーにちなみ浅井が「映画館で最初に自分でお金を払って観た映画は?」と登壇者に質問。矢崎監督は「高校のときにちょっとエッチな映画目的で友達を誘って甲府のピカデリーで観た『卒業』」、山下監督は「小学生3年生のときに友人とふたりで川崎の映画館で観た『グーニーズ』。映画の興奮よりも子どもたちで観たという興奮のほうが大きかった」。富田監督はパニック映画『猛獣大脱走』で気持ち悪くなって便所に駆け込んだ思い出を明かし「必ず二本立てだったので、むしろ自分が観たい映画じゃない方の記憶のほうがよく残っている」と述懐。大九監督が挙げたのは、主演の薬師丸ひろ子の可愛さ目当てで伊勢佐木町で観たという『セーラー服と機関銃』。「とんでもないものを観た」という興奮とともに、パンフレットに掲載されていた相米慎二監督が膝に薬師丸ひろ子を載せた写真を観て「監督という職業は好き放題できるものなんだ」と、映画監督という存在を意識することになった最初の映画であることを告白した。

映画を観る体験を特別なものにする
映画館「アップリンク吉祥寺」

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「アップリンク吉祥寺」は、映画を観る体験を特別なものにする“ミニシアター”のシネコン。5つのスクリーンでは、世界の映画祭で話題の作品をはじめ、アート系作品、インディーズ作品など、現在「アップリンク渋谷」で映画ファンに楽しまれている作品のほか、地域の方々も楽しめるファミリー向け作品も上映予定だ。

音:鳥肌が立つ音響体験を──世界一の平面スピーカーを導入

国内屈指の音響メーカー、田口音響研究所がアップリンク吉祥寺のために開発した究極の平面スピーカーを全スクリーンに導入。イタリアのパワーソフト社製パワーアンプとの組み合わせで、くもりのないDCPハイレゾ音源の可能性を最大限に引き出す。また、館内のBGMは、デレク・ジャーマン監督作品の音楽を多く手掛けたサイモン・フィッシャー・ターナーによるオリジナル音源「MUSIC FOR CINEMA LOBBY」。

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デザイン:異なるデザインコンセプトの5スクリーンを備えた映画館

5つのスクリーンは「ポップ」「レインボー」「レッド」「ウッド」「ストライプ」というコンセプトで、それぞれ個性的な壁紙、椅子、照明デザインに。バラエティに富んだ劇場で、映画ファン向け作品からファミリー向け作品まで多種多様な映画を上映予定。

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食:映画館でも美味しいものを!こだわりのドリンク&フードメニュー

スパイスの風味が効いたクラフトコーラや、ナチュラルワイン、武蔵野生まれのビール、添加物の少ないソーセージを使ったホットドッグ、ヘルシーなナッツ&ドライフルーツなど、こだわりのドリンク&フード・セレクションを用意。

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今週末は「アップリンク吉祥寺」へ遊びに行ってみては?

アップリンク吉祥寺パルコ

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東京都武蔵野市吉祥寺本町1-5-1吉祥寺パルコ地下2階
スクリーン数:5スクリーン
座席数:計300席(最大スクリーン98席、最小スクリーン29席)
設計:アビエルタ建築・都市 北嶋祥浩

公式サイト