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昨年11月、初来日を果たし、日本独自EPをリリースしたオーストラリア・シドニー出身の3ピース・バンド、DMA’S(ディーエムエーズ)

オアシスとザ・ストーン・ローゼズをフェイヴァリットに挙げる彼ら。そのブリット・ポップを彷彿とさせる音像と、メンバーの佇まいから「オアシスの後継者」とも呼ばれています。ブラーのドラマー、デイヴ・ロウントゥリーはラジオ番組で、「彼らはオアシス並みの佇まいと、アークティック・モンキーズの音楽的才能と創作力を持ち合わせている」と絶賛。デビュー間もないディーエムエーズですが、早くも各方面から高い評価を得ています。

ここ日本でも耳の早いリスナー達を中心にじわじわと人気を獲得し、話題となっているディーエムエーズ。今回、メンバーのジョニー・トゥック(G)と、マット・メイソン(G,Vo)にそれぞれインタビューを行いました。2年間かけて制作したというデビュー・アルバム『ヒルズ・エンド』の話を中心に、音楽的なバックグラウンドや、地元シドニーの音楽シーンなど、幅広く語ってくれています。オアシス、ザ・ストーン・ローゼズからの影響について、意外な返答が帰って来ているのでそちらも是非お楽しみください。

text by Qetic

Interview:Matt Mason[DMA’S(Gt,Vo)]

——デビュー・アルバム『ヒルズ・エンド』は、これまでのEPをまとめた日本編集盤『ディーエムエーズ』よりも、よりはっきりとあなたたちの個性というか強みが浮き彫りになった作品ですよね。

マット・メイソン(以下、メイソン) うん、そう思うよ。ほんの3日前に僕らも聴いたばかりなんだけど、すごく気に入ったよ。やっとアルバムができたって実感できたんだ。

——ビッグ・スケールを感じさせるメロディとグルーヴ、それと対照的にどこまでも繊細で柔らかなアコースティック・サウンド、そのふたつが完璧に両立していて、互いをより引き立てあっているのが本作の凄いところだと思うんです。これは意識的なものですか?

メイソン 僕らは同じようなサウンド、同じような曲ばかり書くようなバンドにはなりたくなかったんだ。実際僕らには色々なバックグラウンドがあり、色々な曲を書いているからね。激しい曲も、静かな曲もね。そしてそのそれぞれの曲に相応しいプロダクションを考えて、アルバムとして統一感を持ってひとつにまとめていくっていうのが僕らのやり方なんだ。

——デビュー・アルバムというバンドのイメージを決定づける一枚において、あなたたちはどんな方向性、コンセプトを事前に話し合っていたのですか?

メイソン そうだね、やっぱり自分たちらしさってことだけを考えていたかな。コンセプトっていうようなものじゃないけど。2年前の自分たちから少し成長したものを見せたかったっていうか。

オアシスの後継者、ディーエムエーズ。2年の歳月を費やしたデビュー作 Interview0226_dmas_3

『ヒルズ・エンド』ジャケット

——たとえば“レイダウン”や“プレイ・イット”、“トゥー・スーン”みたいな畳み掛けるロックンロール・チューンと、“ブロウン・アウェイ”や“ザ・スウィッチ”のようにじっくりメロディを温めていくアコースティック・チューンが本作には混在していますが、そんな中で「ディーエムエーズサウンド」の基本になっているものは何だと考えていますか?

メイソン 僕らには動と静の両方の部分がないと僕ららしくないって言うか。もともとはノイジーでラウドなロックンロールからスタートしたバンドなんだけど、やっぱり、シンガーのトミーがものすごくいい声をしているからさ。そんな彼の声を静かな美しいメロディと共に聴かせたいって気持ちも当然出てきたんだよね。僕らのライヴにはすごくラウドな曲が好きな人たちと、すごく綺麗で繊細な曲が好きな人たちが両方とも来るんだよね。で、そうするとノイジーな曲をプレイしている最中は静かな曲が好きな人たちが耳をふさいでいたりっていう(笑)、そういう風に聴き方を分けてしまう時もあるんだ。そういう意味で、ディーエムエーズのサウンドが好きかどうか決めづらい瞬間もあると思うんだけど、それでも僕らとしては両方の要素がないとディーエムエーズじゃないって信じているから。

DMA’S – Lay Down

——デビュー・アルバムにしてセルフ・プロデュースというのもなかなか凄いと思うんですけど、レコーディングで迷うことはなかったですか?

メイソン 実はレコーディングを始める前に、NYで何人かプロデューサーに会ったんだ。中にはすごく有名な人もいたし、むちゃくちゃ人気があって忙しい人もいた。そして凄く売れたレコードを作った人もいたから、そういう人たちと仕事をするのも少し考えたのも事実なんだ。僕らのいい部分を引き出してくれるかも、ってね。でも、やっぱり最初のアルバム、デビュー・アルバムは自分たちだけで、一番パーソナルなかたちで一枚目のレコードは作るべきだって決めたんだ。2枚目以降はプロデューサーと作るかもしれないけどね。

——2年間かけて制作したそうですが、実際にはどのようなソングライティング、レコーディングのプロセスだったんですか? 本作を作る上で最も難しいと感じたことはなんですか? またその理由は?

メイソン 2年間かけて曲を40曲、50曲って書いたんだけど、僕らは1曲書き上げるたびにその曲のデモを全て録っていたんだ。で、最も難しかったのはその後だね。デモとして存在する曲を、ちゃんとスタジオに入って正式なレコーディングで録り直す作業が大変だったんだ。ブルース・スプリングスティーンも、ものすごく大きなスタジオでお金をかけてレコーディングした音源をボツにして、結局自分の家のキッチンでレコーディングしたものをリリースしたことがあった(※恐らく1982年のアルバム『ネブラスカ』のことだと思われる)けど、デモの一期一会の魅力を越えるレコーディング・ヴァージョンを作るのは凄く難しいことなんだよ。でも、そのハードルを乗り越えることこそがアルバムを作るってことだと思ったんだ。

DMA’S – Your Low

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Qetic編集部

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