——2014年の6月には初めて日本の地を踏み、ライブも披露しましたね。短い滞在だったかと思いますが、日本で過ごした日々はいかがでしたか?

イングリッド 素晴らしかったし、今までに行った中で最高の旅だった。オーディエンスはとても礼儀正しくて、静かに音楽に耳を傾けてくれるし、酔いつぶれているような人もいなくて、とてもリスペクトフルだと感じた。それに食べ物も最高だった!

——前回のインタビューでは「ショッピングが楽しみ!」とおっしゃっていましたが、何か素敵なアイテムはゲットできましたか?

イングリッド 東京でのショッピングはクレイジーだった、あらゆる極端なタイプのファッションがあるし、何でも手に入る。具体的に何を買ったかは思い出せないけど、服とか色々買ってお金を使いすぎちゃったわ。

——今作にも“Samurai Sword”という日本語が付けられたタイトルがありますが、これは日本での経験がインスピレーションとなったのでしょうか? 差し支えなければ、この曲に込められたエピソードも教えてください。

イングリッド 具体的な日本の何かがインスピレーションになっているのかは分からないな……日本刀(Samurai swords)ってすごく強いっていうイメージがあるから、そこから出てきたもので、何かの映画か本にインスパイアされたんだと思う。それと去年ハルキ・ムラカミの本をたくさん読んだから、それも一つの理由かもしれない。

——曲自体にはどういった内容またはメッセージがありますか?

イングリッド うーん、曲の内容については……ごめんなさい、分からないわ。何かを突き破る、みたいな感じかな。

Highasakite – Samurai Swords – Behind the Scenes

——前作を締めくくった“Science & Blood Tests”は、「すべてが崩壊した後の地球」を描いているように思いました。そして今作のエンディングは“Chernobyl”と、原発問題を抱える我々日本人にとってもすごくシリアスなテーマです。あなたはいつも「特にメッセージは無いの」とおっしゃいますが、結果的に政治や戦争、社会問題についての言葉が出てくるのは無意識的なものなんでしょうか?

イングリッド なぜかは分からないけど、世界滅亡後を舞台にした映画や本が好きで影響を受けているの。私自身がときどき思い描く将来にそれが近いからかもしれない(笑)。だからそういう影響が、自分で曲を書くときに現れてくるんだと思う。チェルノブイリをテーマにしたのはそこで起きた災害そのものについて扱うためじゃなくて、これはチェルノブイリでもフクシマでも同じだけれど、それらの名前を挙げたときに人々の中に想起されるある特定のイメージがあって、そういう関連性をモチーフにしたかったから。アルバムにメッセージや意図はなくて、誰の意見にも影響したくはないし誰のことも何かひとつの方向に変えたくはないの。ただ私の立場から観察したことを述べているだけで、政治的な対話を始めたいわけじゃない。私自身の心の中の状況や、世界をどのように見ているか、ということだけ。

——“Someone Who’ll Get It”でポールダンスをテーマとしたのは、あなたのアイディアだったそうですね。ダンス、あるいは身体表現に惹きつけられる理由はなぜだと考えますか?

イングリッド 単純にとても美しいと思うから。ビデオでは最初はもっとストリッパー風の、けばけばしくて尖った感じの表現にしたいと思っていたんだけど、実際にレッスンを受け始めると、ノルウェーのポールダンサーたちは皆アスリートみたいで才能に溢れていて、それを見てもっと洗練された形でその美しさを見せたいと思うようになった。

Highasakite – Someone Who´ll Get It

——昨年の夏からポールダンスのクラスに通っているそうですね。ビデオでも実際にあなた自身が踊っていると思われるシーンがありますが(※Ida Koppangというボディダブルも起用)、今ではかなり上達されたのでは?

今はもうポールダンスはやっていないの。ビデオの撮影まで6ヶ月レッスンを受けて、撮影のあとには一度もやっていない。沢山時間とモチベーションが必要だし、今の私にはそれがないから。それにポールダンスをするには、自分の体重を支えるために皮膚を厚くしないといけなくて、しばらくやっていないとそれだけで時間がかかるの。

——ちなみに、ザ・ナイフのラスト・ツアーはご覧になりましたか? あのコンサートもパフォーミング・アーツに迫る素晴らしい内容でしたね。

イングリッド うん、見に行ったし、ものすごくインスピレーショナルだったと思う。私たちのライブに影響を与えるっていう意味でのインスピレーションじゃないけど……私たちはダンサーと一緒にステージに上がるようなタイプじゃなくて、自分たちの楽器を演奏することと、良い照明演出をすることに注力しているの。ツアーでは良い照明デザイナーがついているから、とても良いものになると思う。

——5月の<The Great Escape>を皮切りに、再びワールド・ツアーに乗り出しますね。日本へのカムバックが今から楽しみでしょうがないのですが、あなたにとって、もしくはバンドとして、今後の夢・目標を教えていただけませんか?

イングリッド ただツアーに出て良いショウをして、また世界中を旅して、そこに沢山の人達が私たちを観に来てくれることを願っている。それがバンドの夢であり、私個人の夢でもあるわ。

Highasakite – Lover, Where Do You Live? (Live in Oslo)

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