——メガデスの楽曲のみゲストヴォーカルが入っていますよね?

この曲は、ベースの織原くんの強いリクエストだったんです。ただ、インストにするには、メロディーがシンプルなので、どうしようかな、と。普段、付き合っているのはジャズ・ヴォーカリストなので、こういうメタルの曲を歌える人はいないし……と思っていたんですけど、(ゲストヴォーカルの小田朋美さんは)ヒリヒリした雰囲気もあるから調度良いかな、と。

——確かに、収録曲の中でも一際ロックな曲になってますよね。

そうですね。彼女がいたから、歌ものとしてもやれるかなと思いお願いをしました。

——ゲストの方々にも恵まれたという感じですか?

はい。それぞれのキャラが立つようにアレンジしているので。人を決めてから、全部アレンジを行いましたから。ゲストをそれぞれの楽曲で主役にしている感じですね。特に、ギターの馬場孝喜は元々メタラーなんです。馬場君は、ずっとドイツのレイジをやりたいって言っていて(笑)。

——ホントに、メタルが好きな方が集まっているんですね。楽曲を見ていても、それが伝わってきます。

曲を並べても、(メタルファンに見られた時に)恥ずかしくないチョイスにしたかったですからね。

——その結果、マーティ・フリードマンを始めとして、メタルシーンの著名人からも推薦文が寄せられています。他にも、周囲のリアクションはありましたか?

同世代のジャズ・ミュージシャンからは共感が多かったです。凄くトラッドな演奏をするジャズ・ギタリストから、「実はパンテラの出待ちをしていたぐらい、好きだったんだ!」なんて話も聞けて(笑)。ギター、ベース、ドラムのプレイヤーは、世代的に共感出来るんだな、というのはすごく思いました。

ジャズピアニスト西山瞳がメタルに注ぐ愛。アルバム制作への想い interview151026_nishiyama_4

——ジャズピアニストから見たヘヴィメタルの魅力って何でしょうか?

ジャズとメタルで一番共通しているのは、技術が無いと出来ないという部分なんです。メタルの人って、衣装であるとかジャズに比べるとポップなところもあるかもしれないけど、物凄く練習をされていると思うんですよ。そういうところに対して、リスペクトがあります。

——成る程。

ジャズって、時代ごとに変遷していくのが宿命みたいなところがありますけど、メタルの場合は構築される美しさが感じられて私は大好きなんです。私にとっては、速かったり、重かったりっていう部分に加えて、美しさが魅力。その美しさの為に、とてつもない時間を掛けて練習に打ち込むところに惹かれますよね。

——お話を聞いていますと、非常にナチュラルにジャズとメタルを結び付けられているのが伝わってきます。

無理やり企画でやっているのではなくて、メタルが元々好きですからね。

——ちなみに、第二弾があるとして、カヴァーしたい曲なんてありますか?

一杯ありますよ。メタリカの“Enter Sandman”もやりたいし、ハロウィンも一曲入れたかったんです。イングウェイも、ちゃんと入れないと。やっぱり、イングウェイ大好きなので(笑)。

——今後のプロジェクトの展望をお聞かせいただけますか?

取り上げたいメタルの名曲も沢山ありますし、メンバーも高校生の頃に戻ったようにフレッシュな気分になれるんですよ。展望というか、クラブ活動のように定期的に集まってワイワイやれたらいいですね。あとは、ロック系のイベントにも出てみたいかな。

——それは、観てみたいですよ! では、最後に西山さんご自身の活動について読者に一言お願いします。

今、やっている自分のバンド(parallax)やトリオを色々な形でやって、ジャズ・ミュージシャンとしてはキチンとやりつつ、メタルのプロジェクトでクラブ活動みたいな(笑)。私、部長ですよ、完全に。

ジャズピアニスト西山瞳がメタルに注ぐ愛。アルバム制作への想い interview151026_nishiyama_3

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