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——結局、短期間ではお互いに本音で話すところまでなかなか行けない、ということですよね。そうなる前に、ものごとが進んでしまっていたということで。

落合 そうですね、おっしゃる通りだと思います。

高波 でも、僕はクラブ・カルチャーに関わってきた人間なので、「業種や人種などは関係ない」という気持ちでずっと接してきていて。そして、その中で飲食店をやっている方や政治家の方など、色んな方に出会うことになっていったんです。

——その体験が、『PLAY TODAY inc.』の設立に繋がるんですか?

落合 いや、最初はもっと浅はかだったというか(笑)。僕らは色んな方に会う中で「こういう人間で、こういうことをやっています」ということを、現地の方々に毎回説明していたんです。でも会社ではないと、先方も「結局何なんですか?」となることが多くて(笑)。だったら、わかりやすく伝わるように、ひとつまとまったものを作ろうと思ったんですよ。

高波 それに、僕らの当初の目的は「音楽の甲子園をやる」ということで、実際に15年の5月に恵比寿リキッドルームで第1回を開催するんですけど(<PLAY TODAY music festival 2015>:出演はCICADA、たんこぶちん他)、そのための資金を調達するためには法人化の必要もあって。だったら、フェスも近いし会社にしましょう、というのが最初のきっかけでした。

落合 それが、ご紹介いただいて向かっていた三重県の……1時間に1本しか電車が来ないような地域での話で。駅から降りてさらに歩いていくと可愛らしいカフェがあるんですけど、僕らが向かった時にはちょうど満席で、すぐには入れなかったんです。それで裏手の公園でブランコに乗りながら「会社を作るか」という話をしたのを覚えていますね。

日々“楽しい遊び”を発信中のPLAY TODAY inc.って? interview160112_playtoday_17

—— 一緒に旅に出たことで、お互いのこれまでとは違う面を見つけたりもしましたか? 第一印象と比べて変わった部分/変わらない部分があれば教えてください。 

高波 最初、僕にとって彼はアパレルの店員さんだったわけですけど、その時も、無理に服を売ってこないんですよね。それで何気ない会話から、一緒にご飯に行くようになって、買わない日でも顔だけ出しにいくような感じになって。

落合 ちなみに、今日高波が着ている服は、僕が実際に当時売ったものなんですよ。

——えっ、そうなんですか!

高波 今日はせっかくなので着てきたんです(笑)。当時は彼がまだ19歳とかで、僕が24歳ぐらいで。でも彼は大人びていたというか、僕がバーッと話すのをちゃんと聞いてくれて、それは今もずっと変わらないですね。冷静で、すごく話しやすいんですよ。

——落合さんはどうでしたか?

落合 僕が覚えているのは、最初に会った頃、当時僕が好きになった人がいて、その人とドライブに行くという話をしたんです。そうしたら、高波が「こういう曲をかけたらいいよ」とミックスCDを持ってきてくれて。思いやりのある人だな、気を遣ってくれる人なんだな、と思ったのが最初の印象でした。そこから色々と過ごしていく中で思ったのは、「まぁ色んなことを次から次へと、よく喋るな」と(笑)。でも、一方で義理や人に対する想いはいい意味でストレートで、そこは僕にない部分です。僕は気を付けようと思いつつ、自分から壁を作ってしまうタイプなんですけど、そういうものを全部越えてくるというか。自分に足りないものを持っている人ですよね。

日々“楽しい遊び”を発信中のPLAY TODAY inc.って? interview160112_playtoday_20

——そこから会社を立ち上げて、まずは「音楽の甲子園」、つまり自主開催の<PLAY TODAY music festival 2015>に向けて準備していったわけですね。

高波 3月に会社を立ち上げて、5月にはそのフェスの開催が決まっていたんです。そのタイミングで、色んな縁があってメンバーも4人増えて。それで、5月のフェスに向けてガッと準備を進めていきました。

——開催に向けて準備をしていく中で、具体的な方向性やディテールなどをより詰めていった部分もあったんじゃないですか?

落合 確かにプロセスは重要だし、1回目のクオリティを上げることも大事だと思っていたんですけど、<PLAY TODAY fes>に関して言うと、もともと1回目から成功するとは思っていなかったんです。これは、3年なり5年なりかけて続けていく中での最初の第1回だったので。準備段階よりも、終わって1か月ぐらい経ってから、リアルな赤字を実感したり、アーティストからシビアな声をもらったり、お客さんや物産展に関わってくれた人たちの声が見えてきたりして、ようやく、次に向けての課題が分かってきた感じでしたね。

高波 そもそも全国を回っていく活動は、僕が会社を辞めて(アーティストになって)から、ひとりで各地を回りはじめたことから始まっていて。だから、<PLAY TODAY fes>はその集大成でもあったんですよ。出演してもらったミュージシャンもその中で出会ってきた人々ばかりで。まずは「彼らとやれた」ということが、僕の中では大きかったです。反省点もあったけど、彼らがさらにアーティスト紹介をしてくれて、関係を広げてくれるという景色も見えて。今まで回ってきた旅がひとつ、まとまった瞬間でした。それって他にはなかなかないものだと思うんですよ。フェイス・トゥ・フェイスで繋がった人たちだけで出来上がったフェスというのは。

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杉山仁

杉山仁

ライター

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