10月28日(金)に、カセットと配信で新作“Youth / A Way Out”をリリースしたYoung Juvenile Youth。“A Way Out”は、10月29日(土)・30日(日)に代官山ヒルサイドプラザにて公開された、サカナクションのミュージック・ビデオなどを手がけ、国内外から注目を集めるショウダユキヒロ監督作のアートフィルム『KAMUY』に使用され大きな話題となった。

Young Juvenile Youthは、シンガーのゆう姫と電子音楽家のJEMAPURによるエレクトロニックミュージックデュオ。今回、2016 春夏シーズンにローンチされた<アディダス オリジナルス“Future”キャンペーン>のグローバル・インフルエンサーに日本人で唯一抜擢されるなど、音楽だけにとどまらない活躍を見せるゆう姫にインタビューを行った。

新作“Youth / A Way Out”についてはもちろん、JEMAPURとの出会いや、自身も出演し村上虹郎とも共演を果たした『KAMUY』についてなど幅広い話題について語ってもらった。

text by Qetic

Interview:ゆう姫(Young Juvenile Youth)

【インタビュー】Young Juvenile Youth・ゆう姫が見据える「ポップミュージック」の新境地。映画・アート・音楽、異なる世界を繋ぐ存在へ F7Q0033-700x467

――今回、Young Juvenile YouthがQeticのインタビュー初登場ということで、これまでのキャリアを紐解かせていただきたいんですが、Young Juvenile Youthを始める以前、ゆう姫さんはバンドをやっていたこともあるそうですね。

そうですね。やっていたって言うほど、長く活動していたわけではないんですけど、カナダに留学していた高校生の頃からちらほらやっていました。

――高校でカナダ、その後、アートを勉強するためにアメリカの大学に留学していたそうですが、留学以前以降で変わったこととは?

当たり前ですけど、一番大きかったのは言語の違い。そして、カナダ、アメリカ……その間、日本に帰ってきた時期もあるんですけど、自然と邦楽を聴かなくなりましたね。そして、ジャケ買いをしたり、アコースティックやフォークな音楽を聴くようになったり、洋楽にどんどんのめり込んでいったし、歌うだけじゃなく、ギターを弾きながら曲を作るようにもなりました。

――では、大学で学んだアートはいまの音楽活動にも影響していると思いますか?

当時、学んだことで今の音楽に直接影響していることは……特にないかな。ただ、アートを目指す人たちと一緒にいたことは大きいです。通っていた学校では日本人が私一人だけだったので、友達はアメリカ人だけでしたね。それで年や専攻分野も違う人たちが集まって Tシャツの会社を始めたんです。その皆でクリエイティヴな話をするのが楽しくて、学校そっちのけだった時期もありました(笑)。ただ、留学してもアート専門の大学に行っても、やりたいことが漠然としていて、どうしようっていう焦りがずっとありました。でも自分が好きなものを辿っていくと、やっぱり、音楽だったんですよね。だから音楽と関わりのある仕事が出来ないかと模索していて、そんな中とある女性アーティストをプロデュースしたいと思って、トラックメーカーを探し始めたんです。そしたら、JEMAPURの曲が使われている映像がYouTubeでバズっていて、知り合いから「この映像すごいよ」って教えてもらったんですけど、「映像もすごいけど、音楽がヤバい。誰だろう?」って調べてみたら、“静岡在住のアーティスト:JEMAPUR”ってことが分かって。東京在住だったら、すでに誰かにピックアップされていたんだろうけど、ホント失礼な話で、静岡在住っていうアングラ感にも惹かれたんですよね(笑)。

【インタビュー】Young Juvenile Youth・ゆう姫が見据える「ポップミュージック」の新境地。映画・アート・音楽、異なる世界を繋ぐ存在へ interview161031_yjy_4

――彼には静岡時代にSkypeでインタビューしたことがあるんですけど、つまりは地方にいながらにしてネットを活用して音楽活動を行っていた新世代の電子音楽家ですよね。

そう、それで彼にコンタクトをとって、プロデュースの話をしたら、「何でも自由自在に出来るし、ちょうどヴォーカルものに興味があった。」と。その後、プロデュースのプロジェクトは消滅してしまったんですけど、彼とはSkypeで時々やりとりするようになったんです。

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