ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)が6月26日にグラストンベリーで開催されたヘッドライナー公演でティファニーとのコラボによるクラウンを着用して登場した。

ケンドリック・ラマーがティファニーとコラボ、「いばらの冠」を制作

ケンドリック・ラマーは、長年のクリエイティブコラボレーターであり、「pgLang」の共同設立者であるデイヴ・フリーと共に、チタンとパヴェダイヤモンドを使用したカスタムメイドのクラウンの製作をティファニーに依頼。そして、ニューヨークにあるティファニーの工房で、10か月間にわたって熟練した職人たちの手により、意義と象徴に満ちたクラウンに命が吹き込まれた。このデザインは、ティファニーの最新の革新的なパートナーシップの象徴として、デザイナーや職人が誇る技術とアートの世界をつなぐものとなった。

Kendrick Lamar – Saviour (Glastonbury 2022)

Kendrick Lamar – Humble (Glastonbury 2022)

ケンドリック・ラマーとデイヴ・フリーは、2021年に「いばらの冠」をインスピレーションソースとするヘッドピースのアイデアをもって、ティファニーのデザインチームにアプローチ。宗教的図像の象徴として最も広く認識されているシンボルのひとつである「いばらの冠」は、芸術面での優れた能力、謙虚さ、そして忍耐力を表すメタファーとなっている。ケンドリック・ラマーにとって、ティファニーによるこの唯一無二のデザインは、多作な先輩アーティストたちへの敬意を表するものであると同時に、音楽や文化へのラマーの影響力と貢献を力強く表現するものでもある。

ケンドリック・ラマー、<Glastonbury 2022>で着用の王冠はティファニーとのカスタムメイド fashion220628_kendrick-lamar-tiffany-01

ケンドリック・ラマーとデイヴ・フリーは、クラウンのデザインについて明確なビジョンと意図を持って制作。「いばらの冠」を参照したことに加え、両アーティストは、ジャン・シュランバージェが1956年にティファニーに入社する前の1947年に制作したアイコニックな「いばら」のブローチからもインスピレーションを受けていた。18Kイエローゴールドで作られたとげのような突起が47カラットのサファイヤを取り囲むデザインのこのブローチは、現在ロンドンで8月19日まで開催中のティファニーのブランドエキシビション「Vision & Virtuosity(ビジョン&バーチュオシティ)」で展示されている。

ケンドリック・ラマー、<Glastonbury 2022>で着用の王冠はティファニーとのカスタムメイド fashion220628_kendrick-lamar-tiffany-03

ラマーとフリーは、さまざまなサイズのダイヤモンドが無数に並ぶ石畳のようなマイクロパヴェセッティングのデザインに魅力を感じた。最大限の輝きが引き出されるようにすきまなくセットされたパヴェダイヤにより、この作品に自然主義的なクオリティが誕生している。ダイヤモンドはひとつひとつ手作業でセットされ、プロングも手作業で制作。プロングは鋳造で作られるのが通常のところ、この作品では、職人がまずはダイヤモンドを固定したあとに、金属をカットして上から折り返してプロングを作るという、ハイジュエリーだけに見られるプロセスを行っている。19世紀後半から特別なヘッドピースの数々を、手作業で製作してきたティファニーだからこその神秘的なコラボレーションとなった。

ケンドリック・ラマー、<Glastonbury 2022>で着用の王冠はティファニーとのカスタムメイド fashion220628_kendrick-lamar-tiffany-02

Tiffany&Co.