くも大反響を巻き起こしている、<Red Bull Air Race Chiba 2015(レッドブル・エアレース 千葉 2015)>。水上やサーキット上空を飛び回る超高速&ド迫力のパフォーマンスが魅力のひとつですが、タイムトライアルによる厳密な採点方式が取り入れられた「競技スポーツ」であることも忘れてはなりません。そこで今回は、チケットの次に大事なルール&観戦ポイントと、一流パイロットたちが明かす「勝利のレシピ」映像をご紹介!!

ルールは単純明快、フライトタイムとポイントの関係を熟知せよ!

<レッドブル・エアレース>は、『Qualifying Day(予選)』と『Race Day(本戦)』の2日間を1レースとして、世界各国を転戦するもの。「ワールド・チャンピオンシップポイント()」というシステムを採用しており、1年を通じて優勝者を決定する年間ワールドシリーズとなっています。両日のルールとポイントシステムについては以下のとおり。

★Qualifying Day(予選)
全15名が出場。それぞれ2本のフライトを行い、タイム(ランタイムからペナルティを引いたもの。以下同)が良かった1本が採用され、1対1のヒート形式で行われる『ラウンド・オブ・14』での対戦相手が決定します。

☆Race Day(本戦)
『ラウンド・オブ・14』、『ラウンド・オブ・8』、『ファイナル4』からなる3つのセッションで構成。『ラウンド・オブ・14』、『ラウンド・オブ・8』では下位をふるい落としていくノックアウト形式となり、『ファイナル4』においてはベストタイムで勝者が決定します。

✓ ラウンド・オブ・14
各ヒートの勝者7名に加え、敗者の内、最も速かった1名の計8名が『ラウンド・オブ・8』に進出することになります。ここで敗退した6名は、そのタイム順で9〜14位までの順位が確定。

✓ ラウンド・オブ・8
『ラウンド・オブ・14』の各ヒートの勝者(7名)プラス、敗者の内、最も速かった1名の計8名が出場します。それぞれ1本のフライトを行い、上位タイム4名が『ファイナル4』に進出。敗退した4名は、タイム順で5〜8位までの順位が確定します。

✓ ファイナル4
『ラウンド・オブ・8』の各ヒートの勝者4名が出場する決勝戦。それぞれ1本のフライトを行い、ベストタイムを記録したパイロットがレースの優勝者となります。

※ワールド・チャンピオンシップポイント
レース優勝者に12ポイント、2位に10ポイント、3位に9ポイント、以下、順次1点減で11位には1ポイントが贈与。さらに、最終順位とは別に予選でベストタイムを記録したパイロットには1ポイントが付与され、シーズンを通じて最多ポイントを獲得したパイロットが「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオン」の称号に輝くーーというのが、2014年までの『ワールドチャンピオンシップポイント』についての仕組みでしたが、2015年シリーズのレースフォーマットでの獲得ポイントは、まだ発表されておらず。この変更点によってレースの風向きも変わってくるので今後の発表についても要注目です!

<レッドブル・エアレース>最大の見せ場とは?

予選および各セッションにおいて、コース上で同時に飛行するパイロットは1名のみ。高さ25mのパイロン=エアゲートが並ぶコースを2周し、タイムを競います。この『ゲート』の存在こそがパイロットにとって厄介なものであり、<レッドブル・エアレース>最大の見せ場でもあります。

まず、『スタート/フィニッシュゲート』通過時は200ノット(約370km/h)以下という速度制限が設定されています。続いて、プロペラ機を水平のまま通過させる『レベルゲート』、2本以上のパイロンで構成され、S字を描きながら通過するスラロームコース『シケインゲート』、そして『シングルパイロン』などが一定間隔でコース上に存在。それぞれ厳密な通過方法が定められており、ゲートへの接触や異常接近、高度超過、高度不足(失格)、不正な姿勢でのゲート通過といった違反が認められた場合は、2秒〜6秒のペナルティタイムが加算されてしまいます。このあたりの観戦ポイントをしっかり押さえておくと、当日のフライト/セッションがより奥深く楽しめるでしょう。

それにしても、<レッドブル・エアレース>は最高時速370km、最大重力加速度10Gという極限状態にありながら、凄まじいテクニックと忍耐と集中力が必要とされるわけですね……。まさに、すべてのフライト、すべての瞬間がガチンコの真剣勝負。一瞬たりとも目を離したら後悔しますよ!

Red Bull Air Race Chiba 2015

次ページ:一流パイロットたちによる、勝利のレシピ