80年代後期より活動をはじめてから20年もの間、エレクトロニック・ミュージックのシーンでアーティスト・レーベル・ディレクターとして常にシーンのパイオニアであり続けるμ-ZiqことMike Paradinas。

7月4日(木)にリリースされた、2007年以来6年ぶりとなる最新作『Chewed Coners』は、奥さんであるLara Rix-MartinとGravenhurst(WARP)のユニットHeteroticsと同時期に制作された。それが影響しているのか、本作はホラーで不幸な前作とは打って変わって、よりドラマティックでエモーショナル、幸せがにじみ出た作品に仕上がっている。

μ-Ziqの特徴でもある破壊的でエクスペリメンタルなビートは薄れ、今作ではここ数年の大きなモードのひとつである、ニューエイジにも繋がるみずみずしいアトモスフェアリックでオリエンタルな音色のシンセ・パッドやメロディアスなシーケンスを多用。808を骨組みにしたリラックスしたブロークンビート/IDM、エレクトロ/ファンク、テクノ、ハウス、ディスコ、時折ジュークやドラムンベースなど多彩な展開をみせ、80年代や90年代の音色を使い、自身の初期の作風やスタイルをモダンにアップデートした。まさに20周年に相応しいアルバムとなっている。

Release Information

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