ASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文が設立した<APPLE VINEGAR -Music Award->による、ノミネート作品12アルバムが本日2月10日(木)に2022年版の特設サイトで発表された。
<APPLE VINEGAR -Music Award->ノミネーション12作品が発表!
<APPLE VINEGAR -Music Award->は、後藤正文が2018年に立ち上げた新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる作品賞。文学界での芥川賞を参考に、デビュー・アルバムに限らず、ミュージシャンがそのキャリア初期に発表した作品を評価する仕組みを作り、今後の作品制作をサポートする賞金を贈呈することで若手ミュージシャンを応援できれば、という思いを持ってスタートしたもの。また同時に、リスナーが新しい音楽と出会うきっかけとなれば、という思いも込められている。
第5回となる今回も、昨年発表されたアルバムから後藤が12作品をセレクト、そして3月の選考会を経て大賞が決定となる。今年の選考委員は後日発表予定。また、選考会と授賞式の模様は、<APPLE VINEGAR -Music Award->のサイトでレポートされる。
【第5回APPLE VINEGAR –Music Award-ノミネーション 12作品】
『Castle in Madness』 4s4ki
『dimen』 NOT WONK
『DOOM』 家主
『Ex․LIFE』 網守将平
『兆し』 SPARTA
『ms』 鈴木真海子
『No Buses』 No Buses
『Orca』 NTsKi
『泳ぐ真似』 Kabanagu
『Play time isn’t over』 BREIMEN
『RIGHT TIME』 butaji
『vanitas』 (sic)boy
また、今年の開催に寄せて後藤のコメントも到着している。2018年の設立より、数々の新鋭ミュージシャンの注目の機会となっている<APPLE VINEGAR -Music Award->。未聴の作品はもちろん、昨年の振り返りとしてもぜひ聴きながら楽しんでほしい。
アップルヴィネガー賞は5回目を迎えることができました。
毎年、年が明けてからノミネート作品を発表するまで、胸が苦しいです。賞を企画した自分を、選ばれなかった作品の側から呪います。権力に批判的でありながら、ある種の権威の側に立ってしまうことを嫌悪します。それでも、この賞に意義や意味を感じたり、こうして懲りずに同じ場所に立っていられるのは、支えてくれる仲間や皆さんの励ましがあるからです。
そして、今年も素晴らしい作品と出会うことができました。それぞれの作品のそれぞれの音楽的な達成に触れられることは、自分にとってこの時代を生きる喜びのひとつです。偶然手に取ったアルフォンソ・リンギスの『何も共有していない者たちの共同体』という本には、こう記されてしました。
「肯定的な評価は確認である。私たちが誰かに「なんて君は美しいのだ!」と言うとき、この発言は、そう言われる人に対して、その人がすでにそうである単なる認識、その人が既に承知していることの再認識として働くのではない。それは人の力を呼び覚まし、駆り立てるのである」と。感銘を受けました。そして、文章を締めくくる「評価とは、ものが有している力に対して与えられる力の贈り物である」という言葉の力強さの前で、改めて自分の姿勢を正します。賞をきっかけとして、それぞれの作品に様々な角度から、無数の力が贈られることを願って止みません。賞についての様々な思いは、何度か文章にしています。こちらをお読みください。https://note.com/gotch_akg/n/nf75fade35357
また、APPLE VINEGAR -music award-では、賞金を拠出してくださる法人や団体を募集しています。お力添えいただけましたら幸いです。ご連絡の際は問い合わせフォームよりお願いします。
後藤正文