年末の楽しみのひとつといえば! いろいろな人のベストアルバムを聴くこと!!! じゃないですか?今年もたくさんの音源がリリースされました。音楽に起因した経験や思い出もたくさんできたし、振り返ってみると2018年もいい一年だったように思います……。

でも、前々から思っていたんですけど、ベストアルバム大体みんな被りますよね。「あ~~そのアルバムね~いいよね~知ってる!」という感想を抱くことになり、新たな発見にはつながらないこと、ありません?ということで、人があんまりセレクトしなさそうな私の今年のベストアルバムを発表します!

音楽ライター・あたそが選ぶ2018年のベストアルバム5選!

killie 『犯罪者が犯した罪の再審始まる』

いやあ、待ってた! killieの10年の活動が納められたベストアルバムです。すみません、はじめから激情系ハードコアの音源のタイトルを挙げてしまった……。killieは、これまで出したCDはすべて廃盤にしているため、ヤフオク・ディスクユニオンでは数万円の価値がついていたりします。友達や知り合いのコネを使いまくって音源を集めまくりました。懐かしい。なので、音源が手元にあるのが単純にうれしい……。

発売が発表された当初は、「へえ、あんな面倒臭いバンドがベストアルバムか……」と多少思ったりしましたが、タイトルに特典DVD、CDのおまけなど、いろいろヤバくて安心しています(笑)。

私はこのバンドは大好きで都内のライブはできるだけ足を運ぶようにしているのですが、見るたびに何かしらの衝撃を受けます。普通の人があのライブ見たらどう思うんでしょうか。ずっと気になっています。

ライブって、音源では表現しきれない部分をどれだけ引き出せるか、みたいな部分があると思うんですけど、激情系やハードコアはその最前線なんじゃないでしょうか。曲のタイトルもいいし、曲順もアドレナリンがドバドバ出ます。好き嫌いは分かれると思いますが、いろいろと新しい扉が開けてくる1枚です。

killie/先入観を考える-Taipei Revolver 2015.10.10

swim good now 『Daylight』

カナダのオンタリオ州に拠点を置くプロデューサー……らしいです。結構聴きこんでいましたが、今知りました。

このアルバムで初めて知った方なんですが、きっかけはJapanese Wallpaperというオーストラリア出身の20代前半のトラックメーカーが楽曲に参加していること。この人は何で知ったんだろう?忘れてしまったけど、濠州のトラックメーカーやシンガーソングライターを聴くきっかけになったり、去年ゴールドコーストのスーパーで買い物をしているときにスーパーの有線から彼の音楽が流れてきてひとりテンションがブチ上がったりと、個人的に思い出深いのです。名乗ってんだし、早く日本来ないかな、と思っているんですけど。

アルバムはエレクトリック・ドリームポップが中心で、スローテンポなナンバーも絶妙です。それぞれに個性的なゲストボーカルを呼んでいるので、また聴こえ方が違ってくるんですけど、プロデューサーらしく全体を通じて聴くとビシッと決まっているのがよくわかります。バランスが取れていて、いろんな感情を与えてくれるアルバムです。

Swim Good Now – Daylight (feat. Daniela Andrade, Ryan Hemsworth, Lontalius & olli)

CHVRCHES 『Love Is Dead』

今年のフジロック大トリもかなりよかった……! 「Get Out」のイントロを聴くだけで、かわいすぎたローレンちゃんが瞼の裏に浮かびます……。今回のアルバム後くらいから若くてイケメンなドラマーを引き連れていて、エレクトロニカありがちな「音がなんとなく弱い」問題を解決していました。こちらのアルバムからもたくさん曲をやってくれていて、うれしかったな~。

何かひとつのアーティストを好きになると、「前回の方向性の方がよかった」「この作品の方が好き」という感想を抱くと思うのですが、CHVRCHESはどれもいい!方向性も変わらず、クオリティを保ったままで聴く人を飽きさせず、めちゃくちゃいい音楽を作ってくれます。

今回は、「愛の二面性」がテーマとかなんかで見た気がするんですけど、CHVRCHESの音楽ってエレクトロでポップな癖に(?)明るさ全開じゃないところがいいですよね。少し影があるというか。なんでだろう、不思議。

曲調もポップでわかりやすいし、ローレンちゃんの透明度の高い声。嫌いな人いないんじゃないでしょうか? 「洋楽はちょっとな」という方も結構いると思うんですけど、騙されたと思って聴いてみて欲しいです。もちろん歌詞は英語なんですが、ほら……なんとなくなんて言ってるかわかるし……。

CHVRCHES (チャーチズ) 「Get Out」

気になる残りのアルバムもチェック!

text by あたそ