楽曲リスト③ “Pedestrian At Best”

Pedestrian At Best – Courtney Barnett

冒頭の《I love you I hate you(あなたが好き あなたが嫌い)》からコートニーらしさ全開で、つい「ナイスです!」と親指をたてたくなります。初めて聴いたとき、思わず「どっちやねん!」とツッコミを入れたくなったのは、私一人ではないでしょう。皮肉に満ちたはちゃめちゃな言葉が、まるで心を許した友達に日常的に愚痴るように、次から次へと紡ぎ出されていきます。それなのに、全く嫌らしく聴こえずに、むしろ爽快にさえ感じてしまうのは、きっとコートニーが自分に正直であるからでしょう。自分を守るためには正直であることはいくらだった避けられるのに、考えていることを素直に曲に落とし込むコートニーの姿には強烈な果敢さを感じるし、それをさらりとやってのけてしまうところが、彼女の最大の魅力なのではないでしょうか。

そんなコートニーらしさをヒシヒシと感じられる“Pedestrian At Best”でコートニーと一緒に口ずさみたいのは、サビの歌詞しかないでしょう!

《Put me on a pedestal and I’ll only disappoint you. Tell me I’m exceptional I promise to exploit you. Give me all your money and I’ll make some origami,honey. I think you’re a joke but I don’t find you very funny.》

(私を崇(あが)めなさい そしたらあなたは私にすごくがっかりするでしょう 「君は特別だ」と褒め称えなさい 必ず搾取してあげる 全財産をよこしなさい 折り紙を作ってあげるわ ハニー 思うに あなたは物笑いの種ではあるけど すごく面白いわけじゃないの)

少し長いフレーズなので、最後の“funny”だけでも一緒に歌えるようにしておくのも良いかもしれませんね!

楽曲リスト④ “An illustration of loneliness (sleepless in New York)”

Courtney Barnett | “An Illustration of Loneliness (Sleepless in New York)” | SXSW | PitchforkTV

《I’m thinking of you too.》
(あなたのことを考えてもいる)

そうです、その通りです。「あなたのことを考えてもいる」状態の時は、どうにか「これをしよう、あれをしよう」と思っても、どこか本腰を入れて取り組めない……でも「あなたのことを考える」ことも止められない。そういう思考の輪廻の中に自分がいることに気がついたとき、ますますあなたのこと「しか」考えられなくなりますよね。その気付きの瞬間を、コートニーは《I’m thinking of you too.》と素直に、且つさらっと言い退けてしまいます。単純だけと、実は重みのある言葉、ぜひコートニーと一緒に歌いたいですね。

楽曲リスト⑤ “David”

Courtney Barnett – “David” (FUV Live at Electric Lady Studios)

最近のステージではあまり演奏しなくなってしまったこちらの“David”、2013年にリリースされたコンピレーション作品『ザ・ダブル・EP:ア・シー・オブ・スプリット・ピーズ』(13年)に収録されていました。

初期の作品だけに、来日公演で聴けたらレア! 初来日だからこそ演奏されるでのではないかという期待も込めて、サビパート

《Don’t want you around》
(あなたにいてもらいたくない)

のフレーズを覚えておいてはいかがでしょうか? 上手く歌うにはサビの《Don’t want you around》の《around》の部分で思いっきり「あぁ〜あぁ〜あぁ〜あぁ〜あぁ〜」と5回口を大きく開けて歌うこと!

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