開催が目前に迫った<FUJI ROCK FESTIVAL 2023>(以下、フジロック 2023)。最終ラインナップとタイムテーブルが発表され、出演アーティストから逆算してスケジュールを組み始めている人も多いことだろう。しかし、何が起きるかわからないのが苗場のお祭り。ハプニングだらけの3日間で迷ってしまった時、あなたならどうする?

そんな場合に備えて、今回は<フジロック 2023>で見逃せないアーティストを曜日別にご紹介。「とりあえずこの人は見ておきたい!」という目処をつけて、一年に一度のお祭りへと臨んでほしい。

今回はDAY 3、日曜日の出演アーティストを時系列順にピックアップ。当日のステージや予定時間と照らし合わせながら、ハンドブック感覚でどうぞ!

タイムテーブルはこちら

Yard Act
RED MARQUEE 12:00-12:50

最終日のファーストアクトは、2019年結成、イギリスはリーズを拠点とするヤード・アクトYard Act)。英国らしさを滲ませたスポークン・ワードと強烈なギターリフで畳みかける、アグレッシブかつ理知的なパフォーマンスが特徴だ。昨年の頭にリリースしたデビューアルバム『The Overloed』は評判を呼び、BBC選出によるイギリス若手アーティストの登竜門「Sound of 2022」にも選出。今月リリースされたばかりの新曲“The Trench Coat Museum”は8分超のダンスパンク・ナンバー、来たる新作への期待を十分に高めてくれる。

先日の<Primavera Sound Barcelona 2023>にも出演し、ライブバンドとしての地肩を余す所なく発揮してみせた彼ら。ポストパンク・リバイバルの最中から飛び出してきた強烈な4つの才能のぶつかり合い、最終日のレッドマーキーを序盤からヒートアップさせてくれそうだ。

John Carroll Kirby
RED MARQUEE 16:00-17:00

続いておすすめしたいのは、LA出身の鍵盤奏者であり、プロデューサーおよびコンポーザーとして近年のレフトフィールドな音楽シーンの最重要人物として大活躍を見せているジョン・キャロル・カービーJohn Carroll Kirby)。ソランジュフランク・オーシャンハリー・スタイルズノラ・ジョーンズといった名だたるミュージシャンがリスペクトを示し、コラボレーターとして招いている。ソロとしても2020年に〈Stones Throw〉と契約を果たし、ニューエイジからソウル/R&Bまでを包含した唯一無二の作品をリリースし続けている。

これまでにも<FFKT>やビルボードライブで来日公演を行ってきたジョン。初登場となる<フジロック 2023>では、日本初となるフルバンドセットを披露する予定だ。たおやかなジャズファンク・ナンバーが並んだ最新アルバム『Blowout』のような、全身を弛緩させながら楽しめる極上の時間を期待したい。

black midi
WHITE STAGE 18:00-19:00

こちらはなんとも「WHITE STAGE」らしいアクト。数多のスターを排出してきた近年のサウスロンドン・シーンでも一際カオスな輝きを放ち、そのマッシブな演奏で世界中を唖然とさせ続けているロックバンド、ブラック・ミディblack midi)。ブリット・スクールで出会った彼らはジャムセッションを重ね、デビュー前からダモ鈴木と共演するなど着実に刃を磨いてきた。2019年発表の1stアルバム『Schlagenheim』でマスロックによる新たな表現の地平を提示すると、そのままワールド・ツアーへ出発。ここ日本でも東京・大阪・京都でギグを行い、数多の中毒者を生んだ。

最新アルバム『Hellfire』を引っ提げた昨年のジャパンツアーも大成功、ワールドワイドな活躍を見せる彼らが、遂にフジロック初登場。何か辻褄があっているようで、理解しようすると高速で吹き飛ばされる。摩訶不思議・カオティックそのものなブラック・ミディの世界を、ぜひとも体感してほしい。

BAD HOP
GREEN STAGE 19:00-20:10

三日目のラッシュは続く。GREEN STAGEに登場するのは川崎区出身の8人組ヒップホップクルー・BAD HOP。大手のメジャーレーベルや芸能事務所に一切所属することなく、独力で国内ヒップホップシーンの寵児となった。2018年には日本のヒップホップアーティスト史上最年少で日本武道館公演を敢行し、大成功を収める。パンデミック以降も全土へと知名度を広げ、彼らは熱狂的なリスナーを誕生させ続けてきた。そしてその熱が最高潮に高まった国内最大級のヒップホップフェス<POP YOURS 2023>のステージで、なんと突然の解散発表。約9年間の活動に終止符が打たれることとなる。

サプライズは終わらない。現在開催中のラストツアー<THE LAST SUMMER>の終了後、旅の終着点として彼らは苗場の地を選んだ。最終発表に滑り込むようにアナウンスされた彼らの出演は、熟練のフジロッカーたちにとっても青天の霹靂だったのでは。もはや何が起きても構わない、BAD HOP現象に身を埋めることができる貴重な機会を逃す手はないだろう。

FKJ
RED MARQUEE 20:10-21:10

black midi、BAD HOPと爆発的な盛り上がりに身を委ねた後は、柔らかく重厚な音に包まれる。フランス人プロデューサー/シンガー/マルチインストゥルメンタリストのヴィンセント・フェントンによるソロプロジェクト、FKJ。数多くの楽器を操り、グルーヴの波を重ね合わせていくパフォーマンスが特徴だ。2023年現在で4億回再生を突破したマセーゴとのセッションムービーなど、その手腕には世界中が首ったけ。昨年リリースの最新作『V I N C E N T』ではカルロス・サンタナトロ・イ・モアを迎え、自身の美学を炸裂させたサウンドを展開した。

ここ日本でもファンは多く、<SUMMER SONIC>や<TAICOCLUB>にも出演し成功を収めたFKJ。初登場となるフジロックで、また多くのリスナーの心を射止めてしまうのだろう。苗場のお祭りも終盤戦、RED MARQUEEのテントの下でしっとりとチルアウトしてほしい。

Eddie Chacon
Pyramid Garden 22:00-23:00

さらなるチルアウトを求め、少し歩いて魅惑のPyramid Gardengへ。エディ・チャコンEddie Chacon)のキャリアは“Would I Lie To You”のヒットで知られる90年代のソウル・デュオ、チャールズ&エディにまで遡る。その後、長い活動休止期間を挟んだのちに、彼はジョン・キャロル・カービーのプロデュースによって2020年代の音楽シーンに舞い戻ってきた。甘いブルー・アイド・ソウルにサイケデリックな鍵盤の音色を重ね、数多くのリスナーを再び恍惚の世界へと引き込んだエディ。2022年には〈Stones Throw〉と契約を結び、2回目となるジョン・キャロル・カービーとのタッグでアルバム『Sundown』を発表した。

そんなエディは日曜夜、少しセンチメンタルな時間帯に登場。陶酔を誘う二人の生成する音の粒を存分に浴びてほしい。

NAOYUKI UCHIDA
THE PALACE OF WONDER supported by G-SHOCK 
CRYSTAL PALACE TENT 26:15-27:15

4年ぶりに復活したTHE PALACE OF WONDER supported by G-SHOCKは何としても見逃せません。フジロックの夜の醍醐味である非日常空間が最大限に生かされたこのエリアには様々なアクティビティーがある中、一度足を踏み入れてほしいのは“世界一美しい移動式テント”CRYSTAL PALACE TENT。空間はもちろんのこと、注目してほしいのは通なアクトたち。Qetic編集部的に見逃せないのはNAOYUKI UCHIDA内田 直之)。ダブ・エンジニアとして活躍し、DRY&HEAVYやLITTLE TEMPO、OKI DUB AINU BAND、GEZANなど名だたるアーティストたちを支えてきた彼がDJとして登場する。

今年の9月には、12年ぶりの来日となるアフリカン・ヘッド・チャージ(AFRICAN HEAD CHARGE)の公演では、共演するGEZANのライブエンジニアも担当する。シーンの音を形作ってきたトップエンジニアの音楽を、苗場に突如登場する異空間で味わう貴重な機会をぜひお見逃しなく。

EVENT INFORMATION

FUJI ROCK FESTIVAL 2023

最終日まで遊び倒す!<FUJI ROCK FESTIVAL 2023>直前ハンドブック〜DAY 3 日曜日編 music230727-fujirockfestival2023-sun2

2023.07.28(金), 29(土), 30(日)

新潟県 湯沢町 苗場スキー場

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