然ですが、皆さん“ポペラ”というジャンルをご存知でしょうか。タネを明かせばポップスとオペラを融合した造語。「なーんだ、何のヒネリもないじゃない」と言うなかれ。ポップスとオペラでは歌唱法がそもそも違う。ので、単純にミックスして成立するもんじゃない。では、この高度な融合を果たしたアーティストのパイオニアは誰なのか? というと、今回ご紹介するイケメン多国籍ボーカル・ユニット=イル・ディーヴォこそが、このジャンルの開拓者なんです。

そもそもイル・ディーヴォ誕生のきっかけは、クラシック音楽の声楽で、ポピュラー音楽を歌う、クラシカル・クロスオーバーのスタイルを表現するため、人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のプロデューサーであるサイモン・コーウェルにがメンバーを集めたことから。メンバーはスペイン、アメリカ、フランス、スイスとまったく異なるバックグラウンドを持ち、すでに自国で一定の評価を得ていた歌い手ばかり。最初のブレイクポイントは、トニ・ブラクストンのヒット曲 “アンブレイク・マイ・ハート”のスペイン語カバーである“レグレサ・ア・ミ”。このヒットをきっかけに、04年のセイルフタイトルのデビューアルバムは全英初登場1位を獲得。以後、この9年間で全世界で2,600万枚を超えるセールスを記録、6大陸をまわるワールド・ツアーは軒並みソールドアウトする、新ジャンルにして、聴き手を選ばない人気者へと駆け上がったわけです。

とは言え、彼らの音楽がイマイチ掴めないというアナタ。例えば、これ聴き覚えありませんか? 織田裕二主演のドラマ「外交官 黒田康作」の主題歌として格調高くドラマを演出していた記憶もあるのでは?(それにしても4人それぞれチャーミングですね…)

IL DIVO -“Time to say goodbye”

もうひとつは、これ。残念ながら音のみですが、NHK東日本大震災復興支援ソングである“花は咲く 〜FLOWER WILL BLOOM”も歌ってます。

Il Divo -“Flowers Will Bloom”

昨年は初のミュージカル・カバー・アルバムをリリース。時まさに映画『レ・ミゼラブル』のヒットで、老若男女がミュージカル熱に再び浮かされたハズ。クラシックやオペラって案外、身近にあるものです。さて、そんな“お耳の恋人”イル・ディーヴォが日本ツアーを実施中。3月11日(火)の日本武道館公演はなんとWOWOWで生放送が決定。家にいながらにして4人の声の芸術“ポペラ”の醍醐味を堪能できそうです。

(text by Yuka Ishizumi)

Program Information

生中継!イル・ディーヴォ ライブ・イン・ジャパン2014
2014.03.11(火)19:00
放送チャンネル:WOWOWライブ[生放送]

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