『ザ・マシーンズ・オブ・ディストラクション』ような、政治色が強い作品を製作している一方で、『ワン・ワン』、『ワン・クラブ』に続く3部作の完結作として2011年にリリースされた『ワン・ピッグ』は豚が生まれてから食卓へ登るまでの一生を描いた作品もリリース。奇想天外なアイディアの楽曲も製作している。最近ではハムやチーズなどの食べ物に溝を刻み込みプレイする現代アート的なパフォーマンスも行うなど天才と変態の境界を往く作品を製作したり、パフォーマンスを行ったりもしている。

Matthew Herbert “One Pig” Summer Tour 2012 Trailer

このように『アラウンド・ザ・ハウス』、『ボディリー・ファンクションズ』など、その独自のアイディアと音楽性が高い評価を得ている作品、『ザ・マシーンズ・オブ・ディストラクション』などの政治色を押し出した作品、『ワン・ピッグ』などに代表される奇想天外で変態的な発想から生まれた作品など幅広い作品を生み出すマシューの想像力は尽きることはない。

そして、今回マシュー・ハーバート名義でリリースされた『ア・ヌード(ザ・パーフェクト・ボディ)』はその独自で、奇抜なアイディアが際立った変態的な部分が強く出た作品となっている。今作は、人間の体が1日の生活の中で奏でるサウンドをサンプリングして作り上げられている。起床する、身支度を整える、動くといった動作の音から、自慰行為、排泄をする音まで「裸体」が発する音を集めて製作された収録時間2時間越えの2枚組超大作となっている。日常の生活音をサンプリングするという点では『アラウンド・ザ・ハウス』、『ボディリー・ファンクションズ』といった作品と同じ方式を取っているし、アイディアの奇抜さ、変態性という点では『ワン・ピッグ』などの作品の系譜の作品であると言えるだろう。また、美術館での展示も検討されるほどアート作品としての評価も高い『ア・ヌード(ザ・パーフェクト・ボディ)』はマシューの独自の発想と変態的な芸術家の要素が見事に融合した名作となっている。

奇抜さと変態性の融合!?奇才マシュー・ハーバート『ア・ヌード(ザ・パーフェクト・ボディ)』の背景を紐解く! 160712_matthewherbert_2

『ア・ヌード(ザ・パーフェクト・ボディ)』ジャケット

そんな、マシュー・ハーバートは最新作『ア・ヌード(ザ・パーフェクト・ボディ)を提げて、2016年8月20日(土)、21日(日)の日程で行われる<SUMMER SONIC 2016(サマーソニック2016)>のMIDNIGHT SONIC内で開催される<HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER>にレジデントDJとしての出演が決定している。マシューの独創的かつ、変態的なプレーを深夜の幕張で堪能するのが楽しみでしょうがない。

奇抜さと変態性の融合!?奇才マシュー・ハーバート『ア・ヌード(ザ・パーフェクト・ボディ)』の背景を紐解く! 160712_matthewherbert_3

RELEASE INFORMATION

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