MONO NO AWARE

MUSIC

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photo by マスダレンゾ
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MONO NO AWAREボーカル玉置周啓が綴る<FUJI ROCK FESTIVAL '17>(フジロック)の回想記。Yogee New Waves、OGRE YOU ASSHOLE、THE BACK HORN、ザ・エックス・エックス(The xx)、never young beach、アヴァランチーズ、Cornelius、empalay、くるり、LCDサウンドシステム、トリプルファイヤー、ビョーク、ヤシの木フラミンゴの感想やメンバーとの会話などが綴られている。

『フジロック回想記』 MONO NO AWAREボーカル玉置周啓

雨降りすぎ

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初めて訪れた2014年の<FUJI ROCK FESTIVAL ’17>(以下、)から、この夏フェスの代名詞とも言われる雨に見舞われたことは一度もなかった。毎年「雨が俺をよけてるなー」と慢心しきっていた僕は、今年も天気予報ノーチェックで雨具持たずに出発、行きの車内で「<>丸3日雨予報」をメンバーに告げられる。それでも夏の暑さに脳がとろけている僕は「今年も雨が俺をよけるのであろうな」と車窓から曇天を眺めながらシンミリ。結果、宿に帰ったらまずパンツを干す3日間を過ごしました。

1日目は、Yogee New Wavesを見るため、フィールド・オブ・ヘブンに。朝の日差しが気持ちいい。さすがに朝となると会場内もほどよい混みようで、3日目のサンダーキャットとビョークの往来を想像して胃をキリつかせていた頃の僕はどこへやら、会場内の長距離移動も苦ではなかった。到着し、ボーカル角舘くんの力強い歌声を聴きながら、行きの高速の途中、パーキングエリアでたまたまYogee New Waves一行と遭遇し、優しく声をかけてもらったことを思い出した。ようやく初めて彼らのライブパフォーマンスを見ることができたけれど、心地よさに溢れている音源とはまた違った、生命力とカリスマ性を感じさせるもので、ステージ上でへろへろオリジナル音頭を踊っているだけの僕には到底マネできない魅力を放っていた。

その後OGRE YOU ASSHOLEを観にフィールド・オブ・ヘブンへ戻ってきた頃には、恵みの雨は降り始めていた。思わず小さなテントにみんなでお邪魔し、うずくまってOGRE YOU ASSHOLEを聴く。みるみるぬかるんで行く足元、テントの外には雨などお構いなしに体を揺らす人々、轟音に包まれながら僕は「完全にカッパ必要だったな……」と思っていた。

ところが、ある男が俺のがっかりマインドを切り裂いた。

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MONO NO AWAREギター、加藤成順である。会場で配られるゴミ袋で雨を凌ぐ荒業に、モラル的に有りか無しか一瞬考えたのちギリ有りだと判断、あとでちゃんとゴミ袋として活用することを神に誓いテントを飛び出した。そして、自分がゴミ袋をもらってないことに気がついた。

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凌ぐんじゃない、受け入れるんだ。僕はもう濡れることを気にしていなかった。隣を向けばもう成順もゴミ袋をしまって雨を受け入れているし、周囲のお客さんもみんな雨に濡れながら心地良さそうな顔をしている。何より、OGRE YOU ASSHOLEの曲が雨に合う。毎年、天候に翻弄されるにもかかわらず、来場者が後をたたないのは、ラインナップの充実度のみならず、駅前で降られたら思わずガン飛ばしてしまうような雨も、ちょっとハメを外し気味な人々も、だいたい受け入れることができるようなムードと音楽が溢れているからだろうと思った。

ただ、ちょっとハメ外しすぎたというか「着衣泳してました」みたいな状態になってしまった僕らは、あくまでも出演させてもらう立場ということもあり、健康状態も考えておとなしく宿に戻ることに。そしてホワイト・ステージに差し掛かったところで、帰宅ルート変更の鐘が鳴る。

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僕らの青春THE BACK HORNである。“コバルトブルー”を横目に帰ることはできなかった。一緒にコピーしたよな、成順。そう肩を組もうとした時には、彼はステージとフロアの間のスペースから小走りで出てきたヤングボーイと顔を見合わせ雄叫びをあげながらフロア最前に消えていった。

雨中のステージを楽しんで普段1日で使うカロリーを完全に消費しきった僕らはいよいよ宿に戻り、僕はまずパンツを干した。そして、服も丸ごと着替え、温かいコーヒーを飲んで、会場に戻る頃にはザ・エックス・エックスが始まっている時間だった。

僕が<>に訪れるきっかけをくれたのは、2013年の<>で披露されたザ・エックス・エックスのライブパフォーマンスだった。曲はもちろんのこと、レーザーが放射状に何本も伸びるステージングや、ブレイクでふと聞こえる会場内の小さな会話、木々のざわめきに、フェスの魅力を丸ごと感じた。何よりデカイ。その映像もグリーン・ステージのものだったが、いつか同じステージで彼らのパフォーマンスを見ることが小さな夢だったので、今年、出演できる上に彼らの演奏を聴くことができるのは本当に幸せなことだった。4回泣いた。頬をツーって伝うタイプ。無言で最後まで聴いていたけど、苗場の森と、周りのお客さんと、ザ・エックス・エックスと、一体になっているような気がして、3年越しにフェスの魅力を丸ごと感じた。1日目は、最高の幕開けでした。

1日目の#俺のタイムテーブル
Yogee New Waves→DÉ DÉ MOUSE→→THE BACK HORN→パンツ干す→ザ・エックス・エックス→ライ→ゴリラズ→→パレス・オブ・ワンダー→パンツ干す

Qetic編集部

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