Nightmares on Wax(ナイトメアズ・オン・ワックス、以下N.O.W.)通算7作目となる最新アルバム『Feelin’ Good(フィーリン・グッド)』が発売!

まさに待つ人は待った! 待望の新作はお約束のテクニカルかつ“小粋”なドラムさばき、そこに見事にマッチするベース。弾きすぎない上モノが絶妙な“さじ加減”をもって乗る様はまさにジョージ・エヴリン=ナイトメアズ・オン・ワックスの十八番サウンド。筆者は長年この世界に携わってきているのだが、星の数ほどあるダウンテンポ、ダウンビート、アブストラクト所謂ヘッズとされる世界にあって、彼と肩を並べれるほどグッとくるビート、グルーヴ感を創出するアーティストは思い出すのが非常に難しい。

89年の衝撃のデビュー作『デクストロス』、続く90年の決定打『アフターマス』そして、『ア・ケース・オブ・ファンク』。今までの誰とも違う、驚愕のグルーヴと作風はブリープ・テクノの火ぶたが切られた当時にありながら、明確にはその系譜となるどの分類(シカゴハウス、UKアシッド、デトロイトテクノ、NYディープ・ドープハウス、80’s直系純テクノライン、E.B.M.)にも当てはめることが難しい、独自の作風と感性の高さに当時猛烈な衝撃だったのだが、2ndアルバムから現在のダウンテンポに舵を取り、以後この作風一本でここまできている。このようなこともダンスミュージック界ではN.O.W.だけではなかろうか。

Nightmares on Wax – “Be, I Do”

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