Radiohead – Lotus Flower
その後は各メンバーの課外活動を経て、11年に突如公式サイトにて8作目『ザ・キング・オブ・リムス』を発表。本作では当時注目を集めていたダブステップやLAビーツ、もしくは先鋭的なエレクトロニカといった最先端のクラブ・ミュージックに接近。それをバンドに取り入れて全英7位、全米3位を記録した。とはいえ、この作品の肝は、アルバム単体ではなく、複数の形式を使って『ザ・キング・オブ・リムス』の総体を浮かび上がらせようとしたことにある。同年9月には、その作品をベース/ビート・ミュージックのアーティストを含む面々がリミックスした『TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7』を発表。フォー・テットやジェイミー・エックス・エックス、カリブー、サブトラクト、ローン、マーク・プリチャード、ネイサン・フェイクらが集い、作品をさらに変化させた。
その極めつけは、日本でも12年の<フジロック>で観ることが出来た、圧巻のライブ・パフォーマンスだった。バンドにとって<フジロック>初出演となったこの日は、サポート・メンバーを加えたツインドラム編成で演奏の強度やエネルギーを増強。彼らの過去作品に比べると決していいものではなかった作品自体の評判とは裏腹に、まるでライブをもってして『ザ・キング・オブ・リムス』が完成するかのような圧巻のライブを披露した。
Radiohead – Burn The Witch
Radiohead – Daydreaming
そしてこの16年、彼らはいよいよ通算9作目となる最新アルバム『ア・ムーン・シェイプト・プール』をリリース。前作から一転、オーソドックスにアルバム作品としての魅力が追求された全編は、スティーヴ・ライヒの“Different Trains”を思わせるストリングスが印象的な“バーン・ザ・ウィッチ”や、サティやドビュッシーら印象派~アンビエント期のブライアン・イーノの系譜に連なる“デイドリーミング”を筆頭にジョニーによるストリングス・アレンジを大々的にフィーチャー。歌詞では一貫して愛を失った男の物語が描かれるなど、キャリアの円熟期を代表する傑作とも言えるサウンドを手に入れている。リリース以降のワールド・ツアーでは、会場ごとに近年あまり披露することのなかった様々な過去曲も解禁。それだけに、今からレディオヘッドの大まかな歴史を押さえておけば、<サマソニ>のライブでもそれらの楽曲をより楽しむことが出来るはず。何と言っても、今回彼らが出演する<サマソニ>は、かつて世界に先駆けて“クリープ”を解禁した伝説の舞台。果たして当日何が起こるのか、ファンならずとも注目のライブは、もうすぐそこに迫ってる。MTVの『レディオヘッド スタジオライブ: In Rainbows』と『レディオヘッド VideoSelects』予習を済ませて<サマソニ>では新たな伝説を目撃しよう。
PROGRAM INFORMATION
レディオヘッド スタジオライブ: In Rainbows
2016.07.26(火)START 21:00/FINISH 22:00
2016.08.19(金)START 23:00/FINISH 24:00
レディオヘッド VideoSelects
2016.07.26(火)START 22:00/FINISH 23:00
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EVENT INFORMATION
サマーソニック2016
2016.08.20(土)、21(日)
東京会場:QVCマリンフィールド&幕張メッセ
大阪会場:舞洲サマーソニック大阪特設会場
RELEASE INFORMATION
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