筋金入りの〈ストーンズ・スロウ〉フリークが大集合!

る6月30日(月)、LAのインディ・レーベル〈ストーンズ・スロウ〉の歴史を紐解くドキュメンタリー映画『アワー・ヴァイナル・ウェイツ・ア・トン(ストーンズ・スロウ・レコーズの軌跡)』の爆音プレミア上映会が、東京・渋谷のWWWで開催されました。デジタル配信やYouTubeなどオンライン・サービスの台頭もあり、レコード・ショップやレーベルが次々と倒産に追い込まれている昨今ですが、なぜ〈ストーンズ・スロウ〉は18年間にもわたってアンダーグラウンド・シーンをリードし続け、今なお新たな音楽ファンを獲得できているのか――? その理由が、この映画では解き明かされています。

とはいえ、〈ストーンズ・スロウ〉の長い歴史には大きな浮き沈みがあったのも事実。8つのチャプターに分けられた本ドキュメンタリーでは、レーベル誕生の経緯や関係アーティストへのインタビューはもちろん、マッドリブとの出会い→黄金期への突入、そしてJ・ディラ亡き後の迷走(?)時代までもが生々しいほど克明に記録されています。特にレーベル創始者にして映画の主人公ピーナッツ・バター・ウルフ(以下、PBW)は、過去に幼なじみでラッパーのカリズマを不慮の事故で失っているので、何度打ちのめされても立ち上がるその不屈の精神には、ひとりの人間としてすごく感銘を受けました。都内屈指の音響システムを誇るWWWだけに、ライヴ・シーンの臨場感も文句ナシ。

ここ日本ではまだまだアングラなイメージの強い〈ストーンズ・スロウ〉ですが、Qeticでもお馴染みの〈ロウ・エンド・セオリー〉周辺とも強いコネクションを持ち、本編にはガスランプ・キラーやジョンウエインも出演。マッドリブやデイム・ファンク、J・ロック、メイヤー・ホーソーンといった出演者の面々はレーベルのジャパン・ツアーで何度か来日も果たしているので、彼らのプレイで踊り狂った経験のある読者も多いでしょう。個人的にはポーティスヘッドの頭脳=ジェフ・バーロウや、彼の秘蔵っ子Anikaのような<オール・トゥモローズ・パーティーズ(ATP)>周辺の人脈との繋がりが気になるところで、そのジェフはヒップホップ・プロジェクトのQuakersとして41曲入りのアルバムを〈ストーンズ・スロウ〉からリリースしていたりします。

また、〈ストーンズ・スロウ〉は音楽のみならず、ロゴやアートワークのデザイン性の高さ、ステューシーとのコラボなどストリート・カルチャーとも密接な関わりがあるだけに、WWWのイベントに集結したのは筋金入りの〈ストーンズ・スロウ〉フリークばかり。上映後のPBWを招いてのQ&Aセッションは、一般客に混じってヒップホップMCのダースレイダーや、アフターパーティに出演したDJ AFRAからも質問が飛び交う盛況ぶりで、セッション後のサイン会も長蛇の列となっていました(当然、ワタクシも並びましたよ!)。レーベル設立20周年を迎える2016年にはもっと盛大なセレブレーションをプランしているでしょうし、今後も30年、40年、50年と続いていってほしいもんです。

(Text by UK)

Release Information

[amazonjs asin=”B00JIHC3LK” locale=”JP” title=”Our Vinyl Weighs A Ton This is Stones Throw Records”]