「自ら肩書を語らせてもらえるなら、音楽家(選曲家・作曲家・DJ)です」

そう語るのはKyoto Jazz Sextetをはじめとした様々なプロジェクトを率いてきた沖野修也さんだ。サウンドプロデュースや、作曲、DJと幅広く活躍されている沖野さんに、その仕事論を伺うと共に、おすすめのジャズの名盤を選んでもらった。

Kyoto Jazz Sextet 沖野修也の仕事論とは? おすすめのジャズ名盤も music180628_shuya-okino_20180604_qetic-alfa-OS-0065-1200x801
沖野修也さん。

サウンドプロデュース=音楽で企業の価値を変える

ところで、サウンドプロデュースとはどういう仕事なのだろうか。沖野さんによれば、「つまり選曲」だという。

「現在の主な仕事は、企業の価値を音楽で変えるサウンドブランディングの提唱です。皆さんご存知の銀行や商業施設、映画館などの空間に向けた選曲という形で、すでにいくつも実例があります。成田空港の到着ゲートから入国審査までの通路に流す音楽も担当しましたが、あのときは外国人の歓迎がコンセプトだったので、日本のジャズやクラブミュージックをベースに和をテーマにした選曲を行いました」

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そこでもまた疑問が沸く。沖野さんが知り得る音源は膨大な量だと思うが、その取捨選択にはどんな基準やルールが存在するのだろう?

「何となく雰囲気で、はあり得ません。これは著書の『DJ選曲術』(2005年、リットーミュージック刊)で曲順の決め方などを書きましたが、選曲はフィルターのレイヤーそのもので、いかに曲を重ねていくかは、まずコンセプトを明確にしなければならない。しかも徹底的にロジカルに」

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沖野修也の選曲術 & おすすめジャズ名盤

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Text:田村 十七男
Photos:大石 隼土