■ 面目躍如のDJ KRUSHと、貫禄勝ちだったエリカ様

オーシャンビューにぴったりなバンアパ(the band apart)の超絶グルーヴと、ベーシスト=原昌和の「アンスラックスも出るって聞いたからオファー受けたのによぉ」というボヤキMCも最高だったが、個人的にハイライトだったのが御大DJ KRUSH。曇り空といえばUK、UKサウンドといえばブリストルということで(?)、DJネイチャー(DJ NATURE)&ダディ・G(DADDY G)のワイルドバンチ組を意識したのかポーティスヘッドのトラックを連発。さらにDJシャドウから“コンドルは飛んでいく”に至るまで意外性のある選曲と、神がかり的なターンテーブルさばきで多くのオーディエンスを魅了した。ちなみにDJ ネイチャー&ダディ・Gの2人は「StarFloor」のブースでファン感涙の共演を見せたり、ダディ・Gがマッシヴ・アタックの名曲“Teardrop”を投下するなど大盤振る舞いだったようだ。

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およそ4年ぶりの来日とだけあって、この日最大の動員数を記録したエリカ・バドゥ(ERYKAH BADU)は今回もサンダーキャットをベーシストに迎えたフルバンド。10分以上にもわたるジャム・セッションで「まさかドタキャン!?」とハラハラさせられたものの、大歓声と共にステージに現れたエリカ様の歌声は絶好調。冒頭の“The Healer”から圧倒的な存在感(巨大なアフロヘア込み)と、空気を切り裂かんばかりの高音シャウトで瞬時にフェスのムードを塗り替えてしまう。ゴキゲンも麗しいようで、各曲の締めで謎の変身ポーズを繰り出したり、何度も両手でハートマークを形どっては「アイラービュージャパン!」とリップサービス。ド派手なジャケットを脱ぎ捨てると、背中に日の丸、両肩に「愛・光・平和」とプリントされたフーディーを披露してこれまた拍手喝采が巻き起こる。ほとんど使用されなかったテルミンと、ステージ上にあった意味不明な脳味噌も含め、我々一般人とはまったく別のタイムラインで生きているエリカ様の貫禄勝ちなパフォーマンスだった。

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