<StarFes.14>出演者紹介&見所&オススメ動画

NAS/ナズ “illmatic 20th anniversary special set”

「キング・オブ・ニューヨーク」の異名を持つ、ヒップホップ界最高のリリシスト。若干18歳にして〈コロンビア〉と契約を交わし、94年、デビュー作にして歴史的名盤『イルマティック』をリリース。DJプレミア、ピート・ロック、Q・ティップといった東海岸を代表するトラックメイカー/ラッパー陣が集ったこのアルバムはナズの天才的なリリック・センスとラップ・スキルを世に知らしめ、未だ多くの中毒者を生み続けるバイブルとして愛されている。『イルマティック』の20周年アニヴァーサリーとなる今年は世界各地でアルバム再現ライヴを敢行しており、日本でのお披露目は今回の<Star Fes’14>だけ。また、ドキュメンタリー映画『Nas/タイム・イズ・イルマティック』の日本公開(9月13日〜)も決定しており、2014年は文字通りイルマティック旋風が巻き起こってILL!

★オススメ動画

2012年の<SXSW>で行われた、初の『イルマティック』再現ライヴ。原曲のトラックメイカーでもあるDJプレミアがトラックを手掛け、ナズがレペゼンするNYのクイーンズ・ブリッジの街並みまでも完全再現。視覚的にも音響的にも非の打ち所がないステージングに感服だ。

ERYKAH BADU/エリカ・バドゥ

米テキサス州ダラス出身のシンガー。ヒップホップやR&Bにジャズを融合させた「ネオ・ソウル」の第一人者として知られ、そのメッセージ性の高いリリックと圧倒的なヴォーカリゼーションは他の追随を許さない。97年のデビュー作『バドゥイズム』は300万枚以上のセールスを記録し、<グラミー賞>も獲得した。近年はロバート・グラスパーやジャネール・モネイ、そしてフライング・ロータスらの作品に客演して変わらぬ歌声/存在感をアピールしてきたが、2010年の『ニュー・アメリカ・パート・トゥ(リターン・オブ・ザ・アンク)』に伴うツアー以来、およそ4年ぶりの来日。前回はベーシストとしてあのサンダーキャットを連れてきた彼女だけに、新曲(あるのか?)はもちろん、凄腕のバンド・メンバーにも注目してほしい。

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ミシェル・ゴンドリー監督によるドキュメンタリー映画『ブロックパーティー』(04年)のヒトコマ。ザ・ルーツの演奏に寄り添う美声もたまらないが、オーディエンスからこぼれる笑顔もステキ。<StarFes.’14>の砂浜なら、こんなレイドバックした雰囲気が体験できるかもしれない。エリカのチャーム・ポイントでもある、アフロ・ウィッグが取れるビックリ展開もあるよ!

PUBLIC ENEMY/パブリック・エナミー

社会や政治に対するメッセージを発してリスナーを啓蒙する、社会派ヒップホップ・グループの草分け。89年リリースの2nd『It Takes a Nation of Millions』では、その重厚で複雑なサンプリングを基調とした音楽性と、ブラック・ムスリム思想が強く反映されたリリックでヒップホップ界のみならずロック・シーンとも共振、昨年ロックの殿堂入りを果たしたことは記憶に新しい。09年の<フジロック>以来5年ぶりの来日となるが、前回(というかその4年前のサマソニも)は時計おじさん=フレイヴァー・フレイヴがビザの問題で来日できなかったこともあり、今度こそフル・メンバーでの出演が実現するのかも気になるところ。

★オススメ動画

2011年のフル・ライヴ動画。チャックDが発するタフでタイトなラップに、フレイヴァー・フレイヴの甲高くも愛嬌のあるシャウトの応酬、そして強靭なバック・バンドが生み出す極太のグルーヴは唯一無二だ。キャリア30年を超えるヒップホップ・レジェンドは、<StarFes.’14>ではどんなステージングを見せるのだろうか?

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