ストリート・アートの代名詞といえば、スプレーやフェルトペンを使って表現するグラフィティ(落書き)。日本でも公共機関や施設、建物の外壁、高架下などで目にすることはあるが、そもそも違法行為に当たるわけで、作り手であるライター(ペインター)の素性や活動範囲は謎のヴェールに包まれている。

しかし、アンダーグラウンドな世界ゆえにマニアックなファンが多いことも事実で、海外ではグラフィティを題材にしたドキュメンタリーや、ドラマ映画の傑作が数多く生まれてきた。今回は、そんなグラフィティ・アートを知る上で欠かせない映像作品を5本ご紹介しよう。

1.『ワイルド・スタイル』(1983年)

グラフィティがヒップホップの4大要素になった瞬間!!

ラップ、DJ、ブレイクダンスに続くヒップホップの4大要素として、グラフィティの価値を底上げした金字塔的作品。Nasやビースティ・ボーイズなど本作からの影響を公言するアーティストも多く、昨年、およそ30年ぶりに日本で劇場公開されたことも記憶に新しい。

2.『Downtown 81』(1981年)

音楽も絶品、あのバスキアが主演した幻の半自伝的フィルム

27歳にしてこの世を去った伝説的な画家、ジャン=ミシェル・バスキアが主人公を演じた半自伝的な映画。80年代初頭のNYの空気を切り取った映像はもちろん、実在のミュージシャンたちのライヴ・シーンや、バスキア本人による貴重なタギング姿も収められている。

★バンクシーの初監督映画にして、アート業界に中指を突き立てた問題作

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