ファレル・ウィリアムスが、日本でも20万枚超のセールスを記録中の大ヒット・アルバム『G I R L /ガール』から4thシングルとなる“イット・ガール”のMVを公開した。
今回ファレルがオファーしたのは、アニメ美少女風のモチーフで知られるアーティストMr.(ミスター)。彼は世界的なアーティスト村上隆率いるカイカイキキの所属アーティスト&一番弟子で、村上隆自身もプロデューサーとしてバックアップしている。
Mr.が曲からインスパイアされて展開したのは、はじける夏を謳歌する日本の“イット・ガール”たちで、日本人にはおなじみの海や花火、TVゲームなどが、溢れるような色の洪水とともに、どこか懐かしさも漂うアニメーションで表現されている。
「ファレルさんがMr.の作品のファンとのことで、“Mr.にMVを作ってほしい”という話があったんです。期間がけっこう短くて3か月くらいしかなかったので、僕が入って現場を取り仕切った形になりました。」 ― 村上隆
「この仕事が来た時、最初“何かの間違いだろう”と思ったくらいだったんですが、結果的に僕のアニメや日本のカルチャーとファレルさんの音楽という、全然違うものを融合できたことが面白いのではと思います。」 ― Mr.
「“イット・ガール”は全てMr.のアイデアだったんだけど、ラフ映像を見た時はとても驚いたよ。なぜなら自分が感じていたこの楽曲のコード感やコード進行のカラフルさを、見事にアニメーションで表現してくれていたから。それと毎回このビデオを見るたびに新しい発見があるんだ。全く新しい次元でね。彼の作品はインタラクティヴであり、時間をかけて明るみになっていく。“一体どういうことなんだ?”っていう感じでね。普通はもっと単純で“見たまま”なんだけど、彼の作品はもっと多重構造的で、自分がもっと知りたいと欲せば理解することが出来る。理解しようとすれば、それは美しい万華鏡のように映るだろう。そして、光の当たらない部分を見たいと欲せばそこにも入念に用意された何重もの層があるんだよ。」 -ファレル・ウィリアムス
ファレルと村上隆氏は数年来の友人で、過去には『The Simple Things』というアート作品をコラボレーションしたこともある。また今年5月には村上隆初監督映画『めめめのくらげ』北米公開に際してファレルが主題歌をリミックスしたことも記憶に新しい。
またMr.も、パリのペロタンギャラリーで同時期に作品を展示したことから交流を深め、今年4月にフランスで行われたファレルのキュレーションによる<「GIRL」展>にも作家としてファレルをキャラクター化した作品で参加。その時のキャラクターが今回の“イット・ガール”ビデオにも登場している等、今作品ではMr.がキャラクター/ストーリー構成/監督と全てに関わり、ファレル・ウィリアムスの新たな世界を構築した。
映像中、ファレルは“アニメ調”、“ゲーム調”、“実写調”と、様々なイメージで登場するが、そのうちの実写版は、なんと今年5月にファレルがプロモーション来日を果たした際に、日本で極秘に撮影された映像をベースに制作された。
ファレル自身「凄くエキサイトしているよ!」と語るこの“イット・ガール”は、4億4千万回超の再生回数を誇る“ハッピー”のMV同様、『G I R L/ ガール』アルバムを代表するMVとなること必至だ。
Pharrell Williams – “It Girl”