エズラ・コレクティヴのメンバーで、ロンドンを拠点に活動するキーボードプレイヤー/作曲家/バンドリーダー/プロデューサーのジョー・アーモン・ジョーンズ(Joe Armon-Jones)が、6年ぶりとなるニューアルバムを自身のレーベル〈Aquarii〉よりリリースする。
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本作は2部構成の大作となっており、1枚目の『All The Quiet (Part I)』は3月28日、2枚目の『All The Quiet (Part II)』は6月13日にリリースされる。また今回の発表に合わせて、リードシングル「Kingfisher」が公開された。
Joe Armon-Jones – Kingfisher (feat. Asheber)
『All The Quiet』は、ジャズや音響の本質を理解し、センス溢れるピアノ演奏で魅了するジョー・アーモン・ジョーンズの新たな芸術的到達点を示すものとなっている。アシェバー、グリーンティー・ペン、ウー・ルー、ヤスミン・レイシーといったアーティストも参加していながら、ジョーがすべての作曲、プロデュース、ミックスを手がけ、ピアニスト、ソングライターとしての本領を発揮している。
今作の起源は、ロックダウンの時期にある。創造的な刺激を求めていたジョー・アーモン・ジョーンズは、キング・タビーの革新的なプロダクションや、生のダブ・サウンドシステムを直接体感したときの感覚にインスパイアされ、ミキシングデスクの使い方を独学で習得。やがて自宅にリール・トゥ・リールのテープマシンやスプリングリバーブを備えたスタジオを構築し、自身のソロやアンサンブルの録音を使ってミキシングを実験し、その成果を友人たちのサウス・ロンドンにあるサウンドシステムUnit 137で試聴するようになった。この手法はジャズの即興演奏と大して違わないと彼は語り、「ダブのサウンド世界を探求することに夢中になったんだ。そのプロセスをジャズやファンク、そして自分が愛するあらゆる音楽に応用していった」とコメントしている。
レコーディングは、Livingstone StudiosとPress Playで4日間集中的に行われた。ドラマーのナシェット・ワキリ(Natcyet Wakili)、ベーシストのムタレ・チャシ (Mutale Chashi)、パーカッショニストのクウェイク・バス (Kwake Bass)、そしてホーンセクションとしてヌバイア・ガルシア (Nubya Garcia)、エズラ・コレクティヴの盟友、ジェームス・ モリソン (James Mollison)とイフェ・オグンジョビ (Ife Ogunjobi) といった精鋭ミュージシャンたちと共に演奏を重ねた。それらのセッションをテープに収めた後、彼は徹底した編集とプロダクションの工程に入る。自身のボーカルやシンセを加え、ベースやドラムにはダブ・ディレイやエコーのニュアンスを織り交ぜることによって、緻密な音のテクスチャーを作り上げながら、即興の自由さを内包したサウンドを生み出した。
今作のテーマは自由、コミュニティ、抵抗
アルバムの形が見えてくると、ジョー・アーモン・ジョーンズは次第にアルバムのテーマを意識するようになった。彼がたどり着いたのは、創造の精神に対する無関心と敵意がはびこる時代の中で、音楽の魂を守る音の騎士が戦うという幻想的な物語。一見すると空想的かもしれないが、ここには音楽が商品化され、価値を失いつつある現状への深刻な問題意識が込められている。ジョー・アーモン・ジョーンズは「今、僕たちが目の当たりにしている状況の究極の終着点のようなものだ」とコメントしている。この物語を表現するため、彼の長年のビジュアルコラボレーターであるディヴィヤ・シャーロー (Divya Scialo)とラルフ・ベリーマン (Ralph Berryman)が『All The Quiet』のデラックスLPに付属するアートワークとコミックブックを手がけている。
また先行シングル「Kingfisher」では、ウェスト・ロンドンのダブ・ポエット、アシェバーがコミュニティ、祝祭、革命について甘美に歌い上げる。そして、ヤズミン・レイシーがフィーチャーされた「One Way Traffic」は、ダブ・リコンストラクションの最終章として『All The Quiet Part II』の幕を閉じる。今作は音楽の人を動かす力を持つことを深く表現すると同時に、それを守るべきものだというジョーの強い意志を示した、力強い声明である。
RELEASE INFORMATION
All The Quiet (Part I)
2025.3.28
Joe Armon-Jones
TRACKLISTING:
01. Lifetones
02. Forgiveness
03. Kingfisher (feat. Asheber)
04. Nothing Noble
05. Eye Swear (feat. Goya Gumbani)
06. Danger Everywhere
07. The Citadel
08. Snakes
09. Show Me
10. Hurry Up & Wait
11. Hurry Up & Dub *Bonus Track
All The Quiet (Part II)
2025.6.13
Joe Armon-Jones
TRACKLISTING:
01. Acknowledgement Is Key (feat. Hak Baker)
02. Lavender
03. Westmoreland (feat. Asheber)
04. PSR Orchestra
05. Paladin of Sound & Circumstance
06. Another Place (feat. Greentea Peng & Wu-Lu)
07. War Transmission
08. 505 Standby
09. Journey South
10. One Way Traffic (feat. Yazmin Lacey)
11. Cleto *Bonus Track
All The Quiet (Part I)All The Quiet (Part II)