――どういったモチーフのリクエストが多いですか?

やはりアニメやマンガのキャラクターでしょうか。ときどき「顔は〇〇で、衣装は△△にしてください」などのリクエストをされることもあります。衣装やポーズも、その場でお客さんと相談しながら、自由に作れるのがバルーンアートの魅力でもありますね。

――どんなキャラクターが作りやすいですか?

実はゴテゴテしているキャラクターの方が作りやすいんです。レース、編み込みなどパーツが多い方が作りやすいですね。日本のキャラクターは、シンプルで丸いものが多いので難しいです。例えばドラえもんとか、サンリオキャラクターとか……。

逆にピンクパンサーなど、海外のキャラクターは細長いフォルムが多いので、作りやすいですね。風船も元々海外のものなので、向いているのかもしれません。

少し形が変わるだけで可愛くなくなってしまうんですよ。出来栄えがカワイイか、カワイくないかはとても重視しています。自分が納得しないものは最初から作り直します。

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――作品はかなりかさばりそうですが、保管はどうしているのでしょうか?

お客さんに渡すことが多いですね。大きな作品作る際は、一つ一つパーツをばらして持って帰れるよう工夫することもあります。余ったものはビニール袋に入れて持ち運ぶのですが、途中で会った子供にあげることもあり、サンタクロースみたいになります(笑)。

また、風船は数日経つとしぼんでしまうのですが、持ち帰った痛バルーン“推しキャラ”の経過を観察のようにTwitterで報告してくれる方もいますよ。大事にしてくれているんだなぁ、と思います。

時には、作品を自分の手で割らなくてはいけないこともあります。何時間も、何日もかけて作っても、割るのは一瞬ですからね。ツライものがありますが、その場でしか見られないというのもバルーンアートの魅力だと思います。

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――展覧会や、お店などの装飾の場合、現地でふくらませるのですか?

会場に搬入できるのは、どう頑張っても大きなゴミ袋2つ分くらいですね。あとは現地で作成します。いつも電車で移動しているのですが、作品を見た人が「これはあのキャラクターですか?」と話しかけてくれることもあります。

ちなみに、風船は熱さに弱いので電車の座席下のヒーターは大敵です! いつもガサガサさせて網棚に載せるので他の乗客に注目されます(笑)。

――作品のどんなところに注目して欲しいですか?

元々のモチーフがどのように表現されているかを見て欲しいです。違うところも多いと思うのですが、二次元から三次元する中で、バランスやデフォルメされた形状など、バルーンで作るとこうなるのか、という発見があるのではないでしょうか。

――バルーンアートをやっていて、良かったと思うのはどんなときですか?

やっぱり作品作りを見て楽しんでくれたり、喜んでくれたりしたときですね。痛バルーンは新しいジャンルですし、変わっているから目立ちますよね。アイキャッチになるので同じジャンルを好きな人を見つけやすいかもしれません。

作品をSNSで紹介して、友達同士や、知らない人同士のコミュニケーションのきっかけになり、新しい交流が生まれる様子を見ると嬉しいです。

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――今後の活動予定、目標などを教えてください。

2015年9月18日(金)、19日(土)、20日(日)の三日間、大阪・天神橋筋四番街商店街にて、商店街をランウェイにして行う、<痛バルーン ファッションショー>を行います。風船で作ったウェディングドレスや痛バルーンドレスを着てもらうもので、モデルさんは一般公募する予定となっております。

さらに、痛バルーンは海外からの観光客の反応がすごく良いので、海外のサブカルイベントには積極的に参加したいですね。デフォルメや痛○○というジャンルは、日本独特のものでクールジャパンを象徴するものだと思います。痛バルーンが日本文化を知るきっかけになってもらえれば良いです。 

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パフォーマー・ももさん オフィシャルサイト
もも痛バルーンすたじお

文・篠崎夏美 画像提供・もも痛バルーンすたじお

「痛バルーン」元記事はこちら!

記事提供元:イベニア
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